第二十五章19 【アンサー・クリエイト/アンサー・クリエイト2】19/第02班/【第2覇王/セカンド・オーバーロード神殿】の招待04
夢の世界で、【第2覇王/セカンド・オーバーロード】、【乃木口 和衣】は待っていた。
【心神耗弱状態】での【車いす】ではなく、二本の足でしっかりと立っている。
【和衣】は、
『さぁ、皆さん、ここは可能性の世界、夢の世界です。
姿形も自由自在。
まずは、皆さんの姿から決めて下さい』
と言った。
姿から決める?
それは、仮想現実でアバターを決める様な事である。
なりたい自分にほぼ制限無く、自由になれる。
それが、【和衣】の作り出す【夢の世界】である。
【芳一】は、
「なるほど、アバターみたいなものか。
解りました。
みんな、選ぼう」
と言って自分のここでの姿を考えている間、【和衣】は、
『現実の世界では、私は【心神耗弱状態】にあり、皆さんをまともにもてなす事は出来ません。
なので、この夢の世界にご足労いただきました。
ここでなら、私は皆さんと対話する事も可能です。
改めて宜しくお願いします』
と言った。
丁寧ねしゃべり方だ。
きっと優しい人に違いないと【芳一】達は思った。
さらに、
『ここは可能性の世界でもあります。
ここでは身体に不自由を抱えている方も自由ですし、条件により決まった曜日にしか出られないと言う事もありませんよ。
自由です。
自由にお姿を決めて下さい』
と言った。
【和衣】の言う身体の不自由な方というのは【オンリス】の事を指しており、
条件により決まった曜日にしか出られないと言うのは、【ニア】の事を言っている。
また、【虚構】が現実化している【ファティナ】とは、親和性も高い世界となる。
もちろん、天真爛漫な【シェイナ】もこういう展開は大好きだ。
そう言う意味では、第02班の人選はベストマッチと言っても過言では無かった。
【芳一】は、何を選択したのか?
彼は、【狸】を選択した。
【芳一】は無類の狸好きである。
何になっても良いと言うのなら一度、【狸】になってみたい。
そう思って選択した。
もちろん、人語を話すと言う設定は外せない。
それを思っていたら、本当に【狸】の姿になったのだった。
ここでは何でもあり。
それは間違い無いようだ。




