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第1話 終わったと思ったら始まった。

初めての制作ですので、稚拙な表現などがあるかもしれません。

是非感想を聞かせてください。


若干の日向が朝の影を塗り替え、前日の雨が残したひんやりとした空気がまだ残る中、僕のいつも通りの日常が始まった。

朝は少し寒いが、夏が近くなると涼しくなってきて快適だ。


(あ、ハンカチ忘れた……まあいいか)


そんなことを考えながら、イヤホンを耳につけてお気に入りの曲を再生し、高校に続く最寄りの駅に向かって歩き始めた。


ブゥン、ギキッ


いきなり角から車が飛び出してきた。

いや、全然停止線で止まったのだが、どうにも前に車に轢かれた時、それがトラウマになっているらしく、一瞬で全身汗が止まらない。


基本的に人間は社会のレール、日常から外れるようなことをしなければ危険な目に合うことはない、

あの時、僕が道路の真ん中に座り込んでいた猫を助けようとしたために車に轢かれてしまった。


(なんで助けようとしたんだろ…もしかしたら僕が死んでいたかもしれんのに……)


(いや、もう忘れよう、後遺症も残らずに済んだし、猫も無事だったじゃん、Happy End。)


ぐるぐるとそんなことを考えている内に駅についた。


駅は地下なのでエスカレーターで降りる。51分の電車に乗りたいから49分には駅のホームに着いていなくてはならない。時間を確認すると48分だった。


(やば、ちょっと早歩きで行くか…)


入り口から駅のホームまで少し距離があり、これが朝のまだ隙をついて寝むりたい体に、ずんと重く来るのだ。


なんとか改札についた、まだ電車は来ていないようだ。ホッとして改札を通りスマホでSNSを見始める。


(ん?線路になんかある?)


そう思いながら、ちらりと覗くと、70代くらいだろうか、お婆さんが線路に倒れていた。


(いつ落ちた!?気づかなかった、やばい、どうしよう、助けるか?いや電車がもう来てしまう…)


その時左から女の子が飛び出して、線路に降りていった。

思わず僕は


「え?!ちょ、駅員呼んでくるから今すぐ上がってて!!」


と叫んだが無視してお婆さんの腕を掴んで引き上げようとしている。


(やばいやばいヤバいヤバいヤバい!!周りの大人は何やってんだよ!!)


誰もいなかった。


(過疎駅すぎだろ!!平日の朝だぞ!?)


(そうだ!非常停止ボタン!!押さないと!)


そう思った僕は辺りを探した。


(あった!!) 


だがトンネルの奥から既に電車の光が見えて来ている。ダメだ、もう間に合わない。女の子だけでもはやく引き上げなければと考え、女の子の腕を掴んで引き上げようとした。だが女の子はお婆さんを離さなかった。


「婆さんを離せ!君も死ぬぞ!!」


そう叫ぶ僕、しかし女の子は泣きそうな顔で、


「やだっ!!」


と叫んだ。


バカかこいつ!?


もう電車がすぐそこに来ている。けたたましいブレーキ音と駆けつけた駅員の怒号にも近い声が駅中に響き渡った。


(ダメだ!!これ無理!!引き上げられん!!!)


そう思った瞬間僕は手を離し、本能的に身を引いた。


ゴパァァァアンンン!!!! バキバキキゴゴリ


ギギキキキィーーッ、、、、、、






…………………………て………kて……………おきて!!


ハッと目が覚めた僕は、空を見上げていた。


羊のような雲が疎らにあって、深い、惹き込まれるような青色の、僕の好きな空だ。


ただ、なんか月?が少しデカい気がするが…

あれ?朝なのに月…?

それに………どんどん雲が……小さくなってる…?





いや僕が落ちてるんだ!!


「うああぁぁぁあああああぁぁぁぁ!!!!!」




バッシャァアアアアン!!!!ビシャビシャバシャ……


「ぶはっ!え!?え?!誰か!!助けて!誰か!!」


大きく水飛沫をあげながら僕はもがいた。


「落ち着いて!!落ち着いて!大丈夫だから!!」


「だれぇえええええぇ!!!」バシャバシャ


僕は余計にパニックになって暴れた!!


「もう!!………『水檻(ウォータージェイル)!』」


女の子がそう唱えると、水が生き物の様に僕の体に纏わり付き、そのまま球状になって僕を包みこんだ。


「ガボゴボボ?!!?!」


そして僕は水と一緒に陸地へと放り投げられた。


バッシャァアン!


「ゲホッゲホッゲハッ、は、はぁ、はあ、」

「た、たすかった……ゲホッ。」


なにが起こっているのか全く理解できない。


僕は放心状態で、さっき溺れていた湖を見つめた。


(…広いな……)


「ちょっと!危うく私も溺れるところだったんだからね!!」


女の子は濡れた服の裾を絞りながら、僕の隣に座った。

女の子は黙って俯いてしまった。


「え…?あの……ここどこですか?」


おそるおそる僕は聞いた。


「私だって、知りたいわよ……電車に轢かれたって思ったらいきなり空の上にいて………私、死んじゃったのかなぁ……」


「お家帰りたいぃ……」


女の子は泣き出してしまった。僕は依然として全く状況が掴めないままではあったが、


(女の子が泣いている、なにか…何か安心させる言葉をっ…)


「だ、大丈夫ですよ、僕達死んでないです。さっき溺れて死にかけましたもん。」


女の子はギロッと僕のことを睨んだ。



















こんな文章を最後まで読んでくださり本当にありがとうございました。

是非感想を聞かせてください。

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