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異世界で俺が史上最悪の独裁者になるまで 〜転生先は貧弱な田舎貴族。しかし肉体強化魔法と転生前の知識で成り上がる波瀾万丈の物語〜  作者: 蒼一朗


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第83話 新時代の足音

 俺が総統として最初に着手した改革が、税制と腐敗の排除だとすれば、次の一手は国の経済を立て直すことだった。景気を活性化し、失業者を減らさなければ、国はただのガラクタだ。

 だから新たな公共事業を行うことにした。問題は、どこから公共事業のための資金を調達するかだ。しかし、すぐに答えは見つかった。王やマルセル一派がため込んでいた莫大な財産、いわゆる埋蔵金だ。あいつらが国を私物化して蓄えたこの金を、今度は国民のために使わせてもらうことにしたんだ。


 俺が実施した公共事業は、ゴーレム鉄道の整備だ。なぜ道路や上下水道の整備ではなく、鉄道を選んだか。それには二つの理由がある。まず第一に、鉄道は主要なルートで大量輸送が可能だということ。短期間で効率的に交通を近代化できる。広大な国土を持つヒルトハイムでは、この点が非常に重要だった。第二の理由、これが最大の理由だが、大型の列車が国内を走るというインパクトだ。見た目に強烈な印象を与える鉄道は、国民に「新しい時代が来た」と実感させる強力なシンボルになるだろうと考えた。


 だが、問題があった。このヒルトハイムには、ゴーレム鉄道を作る技術がなかった。技術はおろか、ゴーレム鉄道を見たこともない人間がほとんどだった。だから、俺はエルダンシアから技術者を派遣してもらうことにした。

 そして派遣されてきたのがリリィだ。リリィが自ら強く希望してきたと聞いたときは、少し驚いた。彼女はエルダンシアでも名の知れた魔法使いであり、魔導具技師としての評判も高い。もちろん、ゴーレムを創らせたら、エルダンシアでも右に出るものはいない。そんな彼女が来てくれたのだ。俺は彼女にゴーレム鉄道事業の全権を委任することに決めた。


 リリィは本当に良く働いてくれた。彼女はその優れた魔導技術を駆使し、王都と二つの主要都市を結ぶ鉄道計画を進めてくれた。俺はできるだけ大きな鉄道を作るようにリリィに頼んだ。それは単に輸送力を高めるためだけでなく、国民に衝撃を与えるためだ。人々がその巨大な列車を目にすれば、ヒルトハイムが変わりつつあることを肌で感じるだろう。


 そしてリリィは期待以上の結果を出してくれた。わずか一年で、王都と一つ目の主要都市を結ぶ鉄道を完成させたんだ。それだけではない。彼女はエルダンシアの鉄道の三倍以上も巨大な鉄道を作り上げた。その鉄道を牽引するゴーレムも、途方もない大きさだ。リリィは、肉体強化魔法を応用することでゴーレムを巨大化させることに成功したらしい。その姿はまさに、国民に「新時代の到来」を強烈に伝えるものだった


 鉄道建設のための物資も、幸運なことにドワーフの国から優先的に供給された。これは、ハイエルフ王が国王会議でヒルトハイムを助けるように他国に通達してくれたおかげだ。ハイエルフ王の支援があったからこそ、物資の調達はスムーズに進んだ。彼の影響力には感謝してもしきれない。


 こうして、俺たちはついに立派なゴーレム鉄道を完成させた。それは単なる交通手段ではなく、この国の未来を象徴するものだった。そして俺は、その壮大な鉄道を各国に披露することにした。これだけの大事業を成し遂げたからには、お披露目会をしない手はない。各国から来賓を呼び、俺たちの新たな鉄道を見せつけることにしたのだ。巨大なゴーレムがけん引する列車が、轟音を上げて走る姿を目の当たりにすれば、誰もがこの国の変革を目の当たりにするだろう。


 ゴーレム鉄道が示すものは、単なる技術革新ではない。俺が目指す新しい時代の始まりだ。この国を再び繁栄の軌道に乗せるための象徴として、ゴーレム鉄道は大いなる第一歩となるだろう。


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