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異世界で俺が史上最悪の独裁者になるまで 〜転生先は貧弱な田舎貴族。しかし肉体強化魔法と転生前の知識で成り上がる波瀾万丈の物語〜  作者: 蒼一朗


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第79話 飛空艇の謎

 会議が終わり、周囲の喧騒が少し落ち着いた頃、俺はロシェに会いに行った。彼が俺を助けてくれたのだ。その経緯を聞かずにはいられなかったし、なによりも感謝の言葉を伝えたかった。


 ロシェは相変わらず美しく、何もかも見通しているような雰囲気を纏っていた。俺が礼を言うと、彼は少し微笑んでこう言った。


「君と私の考え方は似ているからね。君を殺すのは惜しいと思ったんだ」


 そう言いながら、ロシェの瞳が一瞬、俺の内側を見透かすかのように鋭く輝いた。俺は背筋に冷たいものを感じた。まるで、俺の正体を見抜いているかのような目だった。もしかすると、彼はこの時すでに俺が転生者だと気づいていたのかもしれない。


「今後も連絡を取り合おう。君とは話す価値がありそうだ」


 ロシェがそう言ったとき、俺はその申し出に迷わず応じた。彼とはこれからも繋がっていたい。彼の知識と威光は、今後の俺にとって大きな武器になると思っていたから。


 その後、俺はロシェの飛空艇で帰路に就いた。行きの時には余裕がなく気づかなかったが、この飛空艇、風魔法で動かしていると聞いたが、本当に風の力だけで、こんな巨大な物体を空に浮かせることなどできるだろうか?


「いや、どう考えてもおかしい………」


 俺はふと思った。もし風の力だけで動かしているなら、離着陸時にはヘリコプターのように突風が巻き起こるはずだ。だが、この飛空艇が離陸したとき、まるで風の存在すら感じさせないほど、ふわりと滑らかに浮かび上がった。


 おそらく、風魔法とは別の魔法が使われているに違いない。風魔法はただのカモフラージュで、実際にはもっと高度な魔術が働いているのだろう。ロシェが発明したというこの飛空艇も、まだ俺には解明できない謎が多い。次にロシェと会ったとき、直接質問してみよう。そう思いながら、俺は暗い空を見上げた。

 帰路につく空の旅は、静かで穏やかだったが、俺の胸には新たな疑問と期待が渦巻いていた。天才発明家ロシェとの出会いが、今後の俺の運命にどんな影響を与えるのか――この時は全く想像もしていなかった。

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