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異世界で俺が史上最悪の独裁者になるまで 〜転生先は貧弱な田舎貴族。しかし肉体強化魔法と転生前の知識で成り上がる波瀾万丈の物語〜  作者: 蒼一朗


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第58話 名声と探求

 リリィが開発した、壊れにくい魔導具はまさに大当たりだった。市場に出るや否や、瞬く間に売れに売れた。それもそのはず、これまでの魔導具と比べて耐久性が格段に上がっているだけでなく、製作するのに、長年の修行を必要としなかったからだ。


 普通、魔導具技師が新しい魔導具を造れるようになるには長い時間が必要だ。素材の特性を理解し、試行錯誤を重ね、ようやくひとつの製品を形にする。それがこの世界の常識だ。しかし、リリィの発明した魔導具は違った。肉体強化魔法の基本原理を理解さえすれば、誰にでもすぐに製作できる。それが何よりも驚異的だった。


 その結果、製品は大量生産が可能になり、商人たちはこぞってリリィの魔導具を買い求めた。価格も通常の魔導具よりも高く、それでも需要は尽きなかった。

 エルダンシアの魔導具市場は活気を取り戻し、むしろ以前よりも繁栄した。復興が進むにつれて、町は再び賑わいを取り戻し、経済も急速に発展していった。


 その中心にいたのは、俺とリリィだ。


 俺は復興作業の指揮を取っていたから、国民の目に英雄のように映った。そしてリリィが、あの技術を開発できたのは俺の助言があったからだと、あちこちで言ってくれたおかげで、俺の名声はエルダンシアの隅々まで広がっていった。


 俺は「復興の英雄」になった。気づけば、俺はエルダンシアの軍事最高司令官に任命され、国の重要な会議で発言権を持つまでになっていた。俺自身は、そんな役職にはあまり興味はなかったが、立場が高くなることで政治的な発言力が強まるのなら、それも悪くないと思った。


 もちろん、リリィもまた英雄的存在となった。彼女の名前は魔導具技師たちの間で伝説のように語られ、彼女の工房には一目見ようと人々が押し寄せた。しかし、リリィこそ、そんな名声には一切興味を示さなかった。

 彼女にとって重要なのは、ひたすら新しい技術を追求することだった。そんな彼女が次に目指したのは、ゴーレムに肉体強化魔法を応用するという新たな挑戦だった。


「ゴーレムが肉体強化魔法を使うのか?」俺は驚きを隠せなかった。


「そうよ、レオン。あなたの肉体強化のイメージを、ゴーレムに当てはめたらどうなると思う? ゴーレムは今まで、もっと強く、もっと俊敏に動けるようになるはず。そうすれば、耐用年数も延びるし、さらに役立つはずよ」


 リリィの瞳は輝いていた。彼女は名声も金も興味ない。ただ、技術の探究だけが彼女の全てだった。


「お前のその情熱には、ほんと頭が下がるよ」


 と俺は苦笑いを浮かべた。


「でも、それができたら、今度はどんな世界が広がるんだろうな」


 リリィは微笑んだ。


「さあ、それは作ってみればわかるんじゃない?」


 こうして、エルダンシアはさらに前進し続けた。


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