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異世界で俺が史上最悪の独裁者になるまで 〜転生先は貧弱な田舎貴族。しかし肉体強化魔法と転生前の知識で成り上がる波瀾万丈の物語〜  作者: 蒼一朗


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第27話 王を守る剣

 試合が決まった。相手は近衛兵長であるヴォルフガング・プラントベルグ。まさか近衛兵長が直接相手をしてくれるとは思っていなかった。しかしこれは逆にチャンスだ。近衛兵団にミュラー流剣術の強さを見せつけることができる。


 一方のヴォルフガングは、明らかに怒っている。俺があれだけしつこく言い続けたからだろう。彼の目に映る俺は、礼儀も知らない自分勝手な『田舎者』だ。俺の立場は悪くなるばかり。


 だが、もう後には引けない。ヴォルフガング相手にミュラー流剣術の強さを証明するしかない。


 試合が始まった。ヴォルフガングと向き合う。彼は練習用の木の盾と剣をしっかりと握り、どっしりと構えている。左手に持った盾を前に突き出し、右手に持った剣を盾の後ろに隠している。その体から圧倒的な威圧感が伝わってくる。さすがに近衛兵長だ。隙がまるでない。体に染みついた歴戦の経験が漂ってくるようだ。


 俺は両手で剣を握り、剣道の中段の構えを取る。ヴォルフガングは一歩も動こうとしないので、俺は前後左右に小刻みに動きながら、まずは数発を打ち込んだ。だが、ヴォルフガングの盾がそのすべてを受け止め、はじき返す。俺の予想以上に防御が上手い。


 このままでは埒が明かない。肉体強化魔法を使うことにした。足元が軽くなり、視界が鮮明になり、俺のスピードがじわじわと加速していく。その効果が現れると、ヴォルフガングの動きにわずかな遅れが生じる。何度か攻撃を試み、少しずつヴォルフガングの防御をかいくぐっていく。だが、それでも彼の反応は素晴らしく、必死の抵抗をみせる。だが、ついに決着がつく。


 俺は一気に動きを加速させ、ヴォルフガングの喉元に剣を突きつけた。切っ先はわずかに彼の喉元に触れ、寸止めの形になる。


「参った…」


 とヴォルフガングが言った。息を呑んだような顔をして、そして一言。


「さすが特例で近衛兵に推薦されるだけのことはある。」


 その言葉を聞きながら、俺は少し胸を張った。だが、ヴォルフガングも想像以上に強かった。おそらく、ヴォルフガングだけでなく、他の近衛兵もきっと同じくらい強いのだろう。もし、彼らがミュラー流剣術を覚えたら、一体どうなるだろうか。最強の兵士団ができる可能性がある。考えるだけでワクワクする。


 彼らも、ミュラー流剣術の強さを目の当たりにしたのだ。これからはきっと、喜んで学びに来るはずだ。ようやく、彼らに剣術を教えられる。さあ、何から教えようか、そんなことを考えていた。


 だが、次にヴォルフガングの口から出た言葉は、予想とはまるで違った。


「我らはその剣を覚える必要はない。その剣では王は守れぬ」


 一瞬、言葉の意味が理解できなかった。


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