第10話 魔法銃の威力
翌日、俺は再び戦場に立った。この日も戦場は変わらない。血の匂いと、剣の音、そして魔法銃の轟音が響き渡る。俺はまたしても、戦場で剣を振り、ゴブリンどもを次々と斬り伏せた。昨日の疲れやケガの痛みで体中が痛む。特に右腕は昨日の激闘で限界に近いはずだった。だが、不思議なことに、動けないほどではない。俺はこの世界に転生してから、運動能力だけでなく、どうやら自然治癒能力も高くなっているようだった。寝て起きれば、ある程度は体力が回復していた。まるで戦うために作られたかのようだ。
また、昨日は、戦うことで精一杯で気づけなかったことが、この日にはっきりと魔法銃の有用性に気づいた。当たり前の話だが、やはり遠距離から敵を攻撃できる武器は素晴らしい。たとえ相手が、最弱の魔物であるゴブリンであっても、バカにはできない。ゴブリンのパワーとスピードはチンパンジー並み。さらに知能も低くはない。小学校低学年程度はある。だからこそ、遠くから安全に広範囲に攻撃できる魔法銃は戦場でとてつもない武器だ。
砦には10人ほどの魔法銃兵が配置されていた。俺のような歩兵は約3000人。戦い方は基本的にこうだ。まず魔法銃兵が、遠くの敵集団に向かって魔法を撃ち放つ。そして、敵が弱ったところに俺たち歩兵が突撃する。それが、ヒルトハイム王国軍の戦術だ。
ところが、昨日の俺はその戦術を完全に無視していた。全く逆の戦い方をしていたんだ。魔法銃兵が攻撃する前に、俺が先陣を切って突撃してしまっていた。しかし、今日は違った。魔法銃兵の攻撃が敵に与えたダメージを確認してから突撃することで、昨日よりも遥かに戦いやすかった。
さらに、俺が敵の集団に突撃した後も、魔法銃兵たちの的確な援護射撃があった。遠くから飛んでくる魔弾が、ゴブリンどもを次々と吹き飛ばし、俺の動きをサポートしてくれる。おそらく、彼らは俺を優先的にサポートしてくれていたのだろう。昨日の戦いで、俺の疾風の剣技を目の当たりにして、俺を活かす戦術に切り替えたのかもしれない。
ともかく、俺はこの日も次々とゴブリンを斬り倒し、目覚ましい大活躍を見せた。
この時の俺は、この調子なら、ゴブリンどもをすべて殲滅できるんじゃないかと、淡い期待を抱いていた。
だが、そんな甘い考えはすぐに打ち砕かれることになる。
翌日、奴が現れるからだ。オーガだよ。
あの化け物が、俺たちの前に立ちはだかるんだ。




