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Episode1-4
「ところで、リンはどこに?」
「あたしは図書室。あーあ、ミオと離れ離れになっちゃったよ」
つまんなーい。とリンは口を尖らせた。
ミオの配属先である軍部と、リンの職場になるであろう図書室は対角に位置している。
休憩のときなど会いに行こうと思えば可能だが、少なくとも、軍部の仕事で行く機会はあるようには思えなかった。
「リンなら大丈夫だよ。それに、人と仲良くなるの得意でしょ?」
宮廷に勤めていると色んな話を耳にする。
官僚の進退に関わる情報や議会の様子といった、いずれ何らかの形で公になるであろう情報から、口にするのが憚られるような噂話まで。
官僚は同じ立場の人間の目は気にするものの、こと侍女やら下々の存在はお留守らしい。
そんななかで、リンはこの手の話を収集するのが好きで侍女たちの間では情報通としてちょっとした有名人だったりする。
そうして、それを頼ってやってくる人と仲良くなり、情報網を広げているというわけだ。