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Episode1-27
「でもさ、考えたことない? 何で戦争なんてするんだろうって」
男はぼんやりと空を見上げた。
それはミオに尋ねているようで、そうでないモノに問うているようにも見えた。
「大勢の人が戦争のない日々を願っていたハズなのに、それが当たり前になり過ぎて。──もう、戦争は終わったのにね」
その言葉にミオはハッとして、男を見た。
どうしたの? と男は不思議そうに首をかしげる。
「・・・・・・今日、似たようなことを仰った方がいたので」
「へぇ~ それは興味深いね」
「わたしたちは、戦争が当たり前になってしまって。終わった現実に上手く向き合えていない・・・・・・ということでしょうか?」
「って、ボクは思うよ」
ミオは真剣な目で男を見据えたが、それとは裏腹にやはり男は相変わらず微笑んでいる。
それが一瞬恐ろしくも思えて、ミオは咄嗟に顔をそらした。
初対面とはいえ、いくつか言葉を交えても、男が何を考えているのか全く分からない。




