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Episode1-22
ミオは純粋なフィラム人ではない。
かつては戦争をしあっていた国の生まれだ。
だから、それの国の人間を嫌悪するのはおかしなことではない。
それに、ティリアのように異国の人間を嫌う人なんて大勢いる。
町を歩けば、わざとぶつかってきたり、好ましくない目を向けてくる人だっている。
ただこの国での生活が人生の大半を占めていて、きっともう自分は永遠にワデラに帰れないと思っていた。
いや、思うこともあった。気持ちが落ち込みそうになると、きっと、いつかを想像して自分を鼓舞することもあった。
そう。だからこれは、
「油断・・・してたのかなぁ・・・」
ああもはっきりと、確かな意思を持って示された嫌悪感を向けられるとは。
「──何に油断してたの?」




