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Episode1-17
「──すまない」
ベルテの呟きが妙にはっきりと耳に届いて、ミオはハッと我に返った。
なんだか、ずっとそうやって突っ立っていた気がする。
「ど、どうしてベルテ様が謝られるんですか?」
「いや、同僚の不始末は連帯責任だ」
「そうだね。止められなくてごめんね」
「し、仕方ないですよ! やっぱり異民族を快く思わない人はいますから!!」
アハハと笑うミオに、二人はどうにもできなかったことへのもどかしさを痛感していた。
ティリアがフィラム人として誇りを持っていることは知っている。
それでいて、貴族という高貴な身分の人間でもある。
だからこそ、貴族である前に人として初対面の人間にあんな一方的に相手を非難するようなことを言うとは思ってもいなかった。
何より、いつもは飄々と振舞っているティリアがあんなにも嫌悪の感情を露わにする姿を見たのは、ソルファもベルテも出会って初めてのことだった。




