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月のボタン

作者: 檸檬

朧気に雲間に隠れた


月のボタン


あのボタンを押せば


「次、停ります」


バスに揺られてどこへいく   


月のボタン


押して降りていくひとは


家路に帰る未来へ扉が開かれるのを待つ


月のボタン


押さずにただ窓からの景色をみていたひとは


遠くへいきたかったひとよ


遠くへいくということは


もう戻れないと覚悟しているひとよ


月のボタン


朧気な雲間に隠れている


月のボタン


小さな小さな言の葉のバスに揺られて


月のボタン


押して夢が光る未来をみせてほしい


夜に扉が開く場所


ふたりの部屋へ続く


銀河の階段駆けていく





















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