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第二話 試験の悩み

 中等部最高学年の皆様へ


1:発動能力のあるものは中等部を卒業したら大学に通わなくてはならない


2:発動能力がなくても使用可能エネルギーが一定のレベルに達した者は中等部を卒業したら大学に通わなければならない


3:能力判定試験で志望したい大学があれば申請をしても構わない


4:大学に申請しなかった者、又申請が通らなかった者は一番自分に適していると判断された大学に入学しなければならない


5:申請が通った場合のみ申請した大学と適していると判断された大学を選択することができる


6:例外として龍城大学に受かると、たとえ他の大学に申請していても龍城大学にいかなければならない


7:大学に入学する必要がないと判断された者は就職、又は高等部に入学する


8:高等部に入学するも者は現在通っている学園の高等部、又は他の学園の試験を受け合格した学園の高等部に入学することができる


 ―――――――――――

 教室についた途端、黒板にデカデカと貼られている紙が目に入る。


「はぁ~」

 隣で盛大なため息をついている友達がいる。

「もうすぐ能力判定試験だよー!どうしよう!?」

「どうしようって言われてもね?ただ受ければいいだけだよ」

「イヤイヤ!行きたい大学とかないわけ!?」

「ない、かな?」


 二人で話していると、


「ハハッお前ら必ずしも大学に行けるとはかぎらないだろ」

 クラスにひとりはいるだろう冷やかしてくる嫌な男子が冷やかしてくる。

「あんただって行けないかもしれないじゃない!」

「もし行けなかったら高等部に入学していい成績を取り、大学に行く資格を取るさ。この俺が大学に行けないわけないだろう!」


 ただ一つ違うところといえばなぜか計画的というところだ。だから反論したくても言い負かすことが難しい。


「ウッ…わ、私だって…」

「お前はバカだから高等部に入っても大学にはいけないだろ」

「ハァ?別にバカじゃないですぅ~!だいたいあんただって…」


 こうなると疲れるまで口論が続くのは日常茶飯事。

 二人は発動能力があるから大学行きだけどね。


 というか…この二人って未来では結構有名だった気がする。

 確か、

 アキコンビ、飽きコンビなんて言われてた

 明輝(アキ)彰人(アキト)

 よく喧嘩が飽きないとか見ていて飽きないとかだっけ?

 喧嘩は絶えなかったらしいけど相性は良かったらしい。二人でいるからこそ強かったと聞いている。


 まぁ〜なんだかんだ仲いいんだよね~

 見ていて飽きないのは納得だな。


「おーいお前ら、ま〜た喧嘩してんのかぁ?」

『だってこいつが…お前喋んなし!』

「はぁ〜いいから席につけー!」

 不貞腐れながら席に着く。


 そういや中等部最後の先生はこの先生だった。真剣に怒っているところ見たことないな。それに…

「えーみんな知っての通り、もうすぐ判定テストがある。筆記試験も一応あるから心して挑め!」

「ヒュー」

「カッコイイ〜」

「らしくな〜い」


 と、まぁこのようにとても馬鹿にされている。

 そんなことより先生が言ったように筆記試験がある。

 一応。

 そう、一応あるのだ。平均以下のエネルギーならば多少影響するが平均以上あればあまり関係はない。

 満点でもなければ…逆を言えば満点近くとればレベルの高い大学に行ける。そんなこと普通はないけどね…


 うん、それより重要なのは、エネルギー判定試験だ。前回よりもエネルギーが増えている気がする。この身体でエネルギーを感じていないからか、正確なエネルギー量がわからない…が、それでも増えている実感があるということは相当なエネルギーがある可能性があるのは否めない。


 できれば未来は変えたくない。

 でも、エネルギー判定試験の結果は今の私では調整できない。

 これはしょうがない。そう、しょうがない、しょうがない…


 最終的に入る学校は変わらない。時期が早くなるだけだろう…。

 うん、きっと…それだけのはずだ!



 考えることを放棄したことをいつか後悔することを私はまだ知らない。


 しかし…考えたところで結果は変わらなかっただろう…



 試験まであと四日

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