十二話 ギラギラ
『おぉ~!』
部屋についた瞬間、前方から歓喜な声が聞こえる。
街に着いた時も宿に着いた時も目をキラキラさせて歓喜な声を永遠と上げていたけど。
私達1グループは一部屋8人ぐらいに振り分けられた宿で2週間程度過ごす事になっている。
部屋割は同クラス、人数が少ない場合少ないクラス同士で組まれている。
2グループよりも豪華だ。
2グループはこの地域の中でそれなりに良い宿だが今私達がいる宿は一番の高級宿。
どれだけ金がかかったのだろう。宿というより屋敷…いや豪邸?に費やすより違うことに使ったほうが国のためだと思う。
それにこんな贅沢な暮らしは一度限りの人が大半だ。
夢を見せて地獄に落とすみたいな?
もしかしたら、こんな生活をする為に頑張ろうとする人も一定数いると踏んで投資感覚でかけているのかもしれない。
私は贅沢で豪華な生活を毎日過ごしたいとは思わないけど。たまーにこんな生活も悪くないよねってかんじ。
お金にちょー余裕があればの話だけど。
普通は違うことに使いたいと思うのではないのだろうか?
ちなみに流石に貸し切りではない。貸し切りだったら国家破産だし。
しかし、毎年こんな行事があると考えると…もう破産なのでは?
赤字だろ赤字。
後先考えない馬鹿なのか?
福祉に使え福祉に。
国が所有している宿でもないのに。所有してても良くないけど。
この国ってこんなに豊かでしたっけ?
まぁこんな事考えていたって意味のないことだ。
政治のよく分かりもしない小娘がこんな事を考えていたって世界は動くのだ。
与えられたものはしっかり受け取ろうじゃないか!
ただ与えられて受け取らずにその場にただ置く方がもったいない。
でもまぁ2グループの宿の方が私にはあっているかな。
2グループの宿は質素と言うほどではないがここと比べれば質素認定だろう。
何処に行っても何処かしらにギラギラ輝いている物が此処にはあるのだから。
視界に否応無く映り込んでくる。
ギラギラと。
目が痛いぐらいだ。
別にこんな感じの豪邸に訪ねたことがないわけじゃない。
というか何度も訪ねたことはあったけれど、一向に慣れず、居心地が悪くてしょうがなかった。
お屋敷に住んではみたいけれど、ギラギラ輝いた豪邸には住みたくないないものだ。
でも、ひとりで広いところに住むのもなー…掃除も大変だろうし…人は雇いたくないし…。
…綺麗な家だったら何でもいいや。
そんなどうでもいいことを考えて…と言いたいところだが、はじめにも言った通り此処に2週間程過ごすことは決定事項だ。
生きていけるかな…
しかし、受験期間は一ヶ月ある。残りの2週間はグループが変わる。受験場所も変わり、首都に行く人もいれば少数だが、地元に帰る人もいる。しかし、ほとんどがこの街に残る。そこで2グループに落ちていれば宿も変わるのだ!
もしかしたら平和な暮らしができるかもしれない。
そんなふうに考えている間に部屋の構造を見終えていたらしい。
他校の人達も時間をずらして続々と来るため2時間ぐらい部屋で待機しなければならないこととなっている。
退屈に思える時間だがそんなことはない。何故ならこの部屋で永遠と遊べるから。
ゲーム、テレビ、映画、ドラマ、アニメ、電子書籍で漫画や小説などを見ることもできる。
退屈することの無い夢の部屋である。
「みんなー何する?」
基本はリーダー的存在である明輝が室員に呼びかける。
「テレビゲーム」
「カードゲーム」
「映画鑑賞」
「お菓子パーティー」
ほぼ同時に雫月を含めた4人がやりたい事を言う。結果、決めるのに20分かかり、最終的にテレビゲームをする事となった。
意見を言わなかった私含めた3人のうち1人は喧嘩を気にせず電子書籍を読み始めたし。
私もそんな図太い神経が欲しいよ。
というか、なんて個性的な子たちなのだろう。明輝がなだめてくれなければもっとかかっていたはずだ。
待ち惚けていたのが8人中2人である。
普通と言える子が1人しか居ないなんて…
…明輝が普通に見えてきて2人になりかけている。
…本当に生きていけるかな私。




