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第九話 無名の有名な著者

 今すぐにでも倒れこみたい。

 今日は発動能力の有無だけだからすぐ終わることが救いだな。

 寝たい…けど昨日と同じメンツだから見られてる。


冴羽白鈴(こはねはくり)


 …そういえば二日目は早い順番だった。

 特に何事もありませんように。


 今回は丸い水晶に手で触れる。

 白。前回と同じ。

 …改めてみると純白だよな~



 水晶の色で能力の系統がざっとだが分かる。

 能力にはっきりと決められた系統は存在しない。だが、青の魔法能力と赤の超能力、その他の色の特殊能力に分けられる。曖昧なものもあるから正式にあるわけじゃないし戦闘型と支援型で分けられることの方が多い。


 3日目以降の試験で魔法能力と超能力の場合はまた違う判定をして結構はっきりと自分の能力が分かる。

 特殊能力は魔法能力や超能力の判定ではわからないので、試験官の人たちが…頑張る。詳しいことはいつかわかるだろう。

 まぁ魔法能力や超能力に似た能力だと判定されて訓練が一緒にされるときが多いけど。


 私も特殊能力だったが魔法能力の()に分類された。はじめに使った能力が風能力と同じだったからね。

 その後、能力を使っていくうちに()以外の能力が使えることが判明して能力2つ持ちだと判定されかけたけど、ある人によって結果的に空間能力とされた。

 能力2つ持ちも珍しいけど空間能力の方が珍しかったから一時期は騒がれた。


 特殊能力は色々と不思議が多く魔法能力や超能力と全く同じような能力だと思ってもぜんぜん違うのだ。

 私の場合、風を操っていたのではなく、空気を操って()を起こしていた。

 重力も空気の密度を上げたり下げたりして()()を操っているように見せていた。


 重力系能力ではないことはわかっていたが説明する理由がなかったためその場の流れに流れていたのだが流れを壊され『空間能力』という大層昔に活躍した珍しい能力だと判定されてしまった。

 おかげで学校は変わり任務は増えるし危険度は上がるし…兎に角大変だった。

 けど、個人として目立つことは減った。私はサポートすることが多かったから。



 もし学校が変わらなければ私はサポートされる側だっただろうから活躍する機会もたくさんあって有名になっていたと思う。

 その点については感謝するところだろう。




 今回はエネルギー量が多いけれど能力を()だと思わせれば龍城大学ではなくなるかもしれない。頑張れば前回はじめに通っていた大学よりも下のレベルに行けるかもしれない。

 というか、はじめに通っていた大学は龍城大学を入れなければ一番と言っていい大学だ。

 下と言っても平均以上なんだけどな…。エネルギー量さえ増えていなければいくらでも誤魔化せたのに~!


 特殊能力は期待も大きいが失望も大きい。似たような能力よりも圧倒的に劣っていれば違う能力だと多少期待させるが使えなければ意味がないためレベルの低い大学になる。

 能力を開花させるためにどの大学にもレベルの高い先生が何人か着くが開花しなければそのまま。



 前回の私ならばその可能性もあたんだけどな…

 …そしたら時間を巻き戻す能力には気づかなかっただろうけど…

 きっとこれからも『時間能力』に気づく人はいないだろう。…『時間能力』って存在してたのかな?



 特殊能力はその名のとおり特殊なため過去にあったものと必ずしも一致するとは限らない。

 ただ持ち主が気づかなかった可能性もあるが違う能力の可能性もある。

 その点は調べようがないけれど載っていなければ新たな能力として登録されることがある。

 登録されたり少し違う能力が使えたりしたならば今まで存在した能力の名前とかが載っている本…みたいなものに刻まれる事がある。実際、本で見ることもできるが能力が似ていたり使い方が一緒だったりすると体験?ができる。

 要は教えてくれる人がいなければその本でコツを掴むことができる。名を()()()()と呼ぶ。


 …コレつけた人センスないと思ってるの私だけかな~?なんというか「へー」「ふーん」みたいな、しっくりこないんじゃないけど…うーん…他にいい名前なかったのかな?


 でも確かに万能だと思う。過去に無い全く新しい能力を登録することができたらもし未来に同じような能力の人がいたらコツを伝えることができるのだ。偉人に教えてもらうことができると言ってもいい。


 この本を作った人の有名な言葉がある。

 それは『時代を超えて人は人に教えることができる。進化するものは退化もする。どうか忘れないでほしい』と最後に書き残していたそうだ。

 いつの時か、この言葉の感想を書かされた事がある。

 確か私は『この言葉は全文ではないと思う』と書いた気がする。理由は色々あるけれど、一番の理由は…






 その本には作者の名前が載っていない。

 無名なのだ。

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