帝国の動き
王都では陛下が緊急で受けた報告に眉根を寄せる。
「帝国が戦争の準備に入った、か。このタイミングで.......」
帝国と隣接しているのはチェリッシュ領とバークマン領だ。確実にチェリッシュ領が狙われる。いや、正直言って彼女なら問題ない。帝国をひとひねり出来るし、王国軍だって滅ぼせる。
しかし今はチェリッシュ領の開拓中だ。彼女の手を煩わせてやりたくはない。
「バークマン侯爵。軍の準備を頼んでも良いか?」
「承知致しました。.......うん?」
バークマン侯爵の足元からシャドーゴーレムの触手が出てきて、一通の手紙が渡された。封蝋にはチェリッシュ公爵家の家紋が押されている。
「どうした?」
「公爵からですね。.......陛下」
バークマン侯爵は陛下に手紙を見せる。
「.......帝国が攻めてきたじゃと!?」
「幸い偵察ゴーレムが発見して、公爵がシャドーゴーレムで拘束、教会の聖騎士達で捕縛したそうです。しかし.......」
「うむ。宣戦布告もなしに攻めてくるとはの」
「正直言って、うちの領地だったら攻め落とされていたかもしれません。運が良いのか悪いのか……」
「捕縛された帝国騎士を尋問するかと聞かれてますが」
「うむ。出来るなら構わないが、くれぐれもやりすぎるなと言っておいてくれ」
「かしこまりました。その様に返事を出しておきます」
バークマン侯爵はそう答えて頭を下げると部屋を後にした。
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