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プロローグ

新作投稿します。


今作は毎週水曜日10時の投稿です。予約投稿です。誤字脱字のご意見がありましたらお願いします。

また感想なども是非お願いします。作者が喜びます。あまり誹謗中傷をされるとお豆腐メンタルが崩れますww

ここはアデニウムという世界。創造神スターリングが作った世界。この世界には魔力があり、生き物達は魔力の恩恵を受けている。人間達も例外ではなく、魔法使いではなくても多少の魔法を使うことは誰でも出来る。

そんな世界にはオンディーナと呼ばれる王国がある。創造神が最初に産み落とした人間アプローズが作った王国だ。王国はこの世界で最強の国であり、その強さは文字通り桁違いだ。


私はシャーロット・フォン・チェリッシュ。ザカライア・フォン・チェリッシュ公爵の一人娘だ。と言っても女が公爵の家督を継いだ前例がないためか、女である私は父上から無視されている。世間では体が弱くベッドから出られないと言われているらしい。体は弱くはないが、引き篭もりなため普段暮らす領主館の敷地から外に出る事はない。理由は2つある。父である公爵は領地の運営に興味がなく、かと言って国王から賜った領地を野晒しにする訳にもいかないため代官に任せっきりだった。その代官はいつの間にかいなくなっていた。そのため開発が進まなくなったどころか領民もいなくなってしまったため、結局城壁に囲まれた荒野が完成したという訳だ。そんな所に娯楽施設がある訳もなく、外に出ても意味がないので家に引き篭もっている。まあ、庭で育てている薔薇の手入れや家庭菜園で外に出る事はあるが、それ以外は寝室で寝ているか書庫で本を読んでいるかサロンで紅茶を飲んでいるかだ。

そしてもう一つの理由。これに関しては少々特殊。それは『前世の記憶がある』という事。私の前世は地球の日本で生きていた。交通事故で死んだラノベオタク女子。よく本に出てくる様な魔法のステッキとかを手芸で作ってニヨニヨしていた。

シャーロットとして生まれた時からそんな前世の記憶があり、ラノベオタクの私は夢中で書庫の本を読み漁っていた。そして、その過程で自分は魔法使いとして全属性の魔法が使えるという事が分かった。基礎魔力も多く、かなり珍しいらしい。しかし、所詮は女だと言って父上は見向きもしない。

ハイハイが出来る様になってから魔法の本に夢中になっているご令嬢に、使用人達は気味悪がって私の世話さえしなくなっていった。流石に不便に感じ、闇魔法でシャドードールを作って身の回りの世話をしてもらっている。手のひらサイズの人形で、小回りもきく。子供って手先が本当に不器用なんだよね……。服のボタンとか自分でとめられない程度に。シャドードールが手伝ってくれて本当に助かる。

そして5歳になった頃から近くの森で魔獣を討伐したりする様になっていった。何しろ魔法は書庫の本を見たら大体使える様になった。そうなったらやる事は当然魔獣討伐だろう。と言っても、私は前世から引き継がれた根っからの引きこもり気質。ない事外出したら交通事故に遭ってしまったのだから。やはり引き篭もりは正義だ。ではどうやって討伐しているのか。それはシャドー達に任せているのだ。森は影も多い。シャドーも出しやすいのだ。自分の魔力が届かなくても自然の魔力を使ってシャドー達を維持出来るので、場所さえ把握していれば何処からでもシャドー達を操作出来る。そんなシャドー達は私の影と繋がっているから、森の中の影から直接私の足元の影にも移動が可能だ。討伐した魔獣は私の影を通って運んでもらっている。私の影はアイテムボックス代わりにもなっている。この世界の闇魔法って色々と便利だ。

毎日森に入って最初はホーンラビットの様な弱い魔獣、次第に森の奥にいる強い魔獣を討伐する様になって行った。使用人達は驚愕し怯える様になり私と視線を合わせなくなった。屋敷がボロボロになっていくのを見て、金に困ってるのかなと思って素材を代官に渡してたんだけど、一向に修繕されない。別の所に使ってるのかな?公爵なんだからもう少し金あるでしょうに。父上、金遣いが荒いのか?

そう思って森に行くついでに領地内も見て回った。流石にシャドーでは無理なので、錬金術を使ってゴーレムを生成する。小さな鳥型のゴーレムには【隠密】を付与して姿が見えない様にする。そしてゴーレムの視界を【共有】する。その時に初めてこの領地に領民がほぼいない事を知った。そりゃあ金ないわな。税収、どうしてるんだろう。私が討伐している魔獣は一部代官を通して父上に渡っている事を考えると、恐らくその収入を税収の足しにしているのだろう。これでは使用人達も満足に給料をもらえていないのではないだろうか。こんな田舎のボロボロな屋敷に仕えてくれているのに、雀の涙の様な給料では可哀想だ。そう思い、高価になりそうな薬や武器も作って代官に渡していた。よく考えたら、それが間違いだったのかもしれない。

ある日、朝起きると誰も屋敷からいなくなっていた。代官も使用人も人っ子一人いなかった。ああ、夜逃げしたなこれは。まあ、こんな領地で仕事していたくないよね。そう納得していつもの様に魔獣討伐をしていた。使用人がいようがいまいが、私の生活に変わりはない。ただ、誰もいないなら自由に弄っていいよね?という事で、屋敷内を私好みにリフォームした。

書庫の本で読んだ生活魔法の1つ、【リノベーション】という魔法がある。その名の通り、家の中を修繕する魔法だ。デザインしたいイメージを頭の中に浮かべて魔法を使うと、一瞬でインテリアが変わるのだ。ヒビだらけの壁も隙間風が吹き込む窓も修理され、壁紙なども張り替えられる。イメージとしては、いわゆるロココ調の姫系デザイン。前世でも姫系雑貨は大好きだった。

たまに散歩がてら庭に出ると、庭には沢山の薔薇を植えて時々花瓶に入れる。前世では珍しかった青い薔薇も沢山の種類がある。とは言ってもやはり珍しくはあるそうで、貴族の家にしかないものらしい。屋敷内の掃除やご飯の準備もシャドー達が手伝ってくれるし、ボッチだけど寂しくもないし不便もない。異世界スローライフだね!

数週間後、王都から父上がやってきた。領民どころか代官も使用人もいなくなっていると知った時の父上は面白かった。顔を真っ赤にして屋敷中を荒らしまくって屋敷中を探し回り、いつもなら立ち入らないであろうキッチンにも侵入しオーブンの中まで開けて探していた。そんな所に人は入れないっての。そのうちに父上は憎々しげに私を睨みつけた。私が魔獣討伐や薬や武器の制作をしていることを知ると、父上は私に『領地の税収分の魔獣討伐と薬と武器の作成をしろ』と言ってきた。まあ想定内というか、結構ずっとそんな調子だったのを知らなかったのは父上だけなのだが。結局それで領地の事は誤魔化せてしまったから、国王にバレなかったんだなと後になって気がついた。やり過ぎって良くないね。とはいえ、スローライフを維持するためにこの屋敷は必要だし、協力はしてやろう。


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