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エミリオやらかす。

「あれ?まただ」 

「ほんと〜へんね〜」 

エミリーとエミリオは頭をかしげていた。

「不思議ね〜同じ材料で作ってるに〜何度やってもママのは青色で〜エミリオのは紫色になるわね〜」

エミリーとエミリオはポーションを調合してた。

古書に書かれているエクリサーのレシピだが、このレシピ通りに作ると、疲労回復、魔法力回復、発熱、頭痛、腹痛等が直ぐに治る青色の万能ポーションが出来る。

現在は古書のエクリサーレシピ=万能ポーションと定着している。

古書に書かれてるような、病気で寝たきりの者、原因不明の病、重病人や重症者、人体欠損部分の再生、目が見えない者、自力歩行ができない者を治す効果をこのレシピでは再現できた者は古書書かれてる大昔の偉人しかいなく、今では伝説とか、誇大効果と言われている。


ポーションを作るときは、予め材料となる薬草を揃え(種類により生のものや乾燥させたもの)を擦り潰し、古書にはピュアウオーターと書かれてるので、ピュアウオーターの呪文で出した水を使い、それぞれの材料を混ぜ合わせ完成なのだが、作業中は魔法力を指先に集中させながら作業しなくてはいけない。

生姜、ニンニクを含む希少な薬草5種をエミリーが実家からパクってきた物をエミリオが魔法で育成したお陰で材料には困らない。

エミリオは相変わらず呪式を見て勝手に『精製水をイメージすればいいのか』とウォーターを唱えていた。

この作業は治療魔法を使える者でないと効果が極端に落ちるのでロザリオは作業に参加していない。

エミリーは水魔法と氷魔法と治療魔法が使える。

ロザリオは火魔法と時空収納が使える。

1つ以上の属性を持っている魔法使いは今の世界では数は少ない。

規格外のエミリオを除けば、ロザリオもエミリーもこの世界を代表する魔法使いである。


『万能ポーションは〜青色で〜魔法力がない人が〜作れば濁った黄土色〜で〜魔法力弱い人や適性が無い人(ロザリオ)が作れば緑色〜今迄紫色の万能ポーションなんて〜見たことも聞いた……あっ〜…魔法レシピの古書には〜エクリサーは紫色をした綺麗な液体と書かれていた記憶が〜…………』

『うん〜エミリオだから〜……………』

珍しくエミリーが少しの間フリーズした。


「ロザリオ〜、どうやらエミリオが〜本物のエクリサー〜作っちゃったみたい〜」

「はいっ?!」

『うわっ!あのエミリーが青い顔をしてる!ここは俺がしっかりしないと!』

「エミリオだからな!はははは」

「そうね〜エミリオですからね〜ふふふふ…ふっぅ〜……」

二人は声は笑ってたが能面のような表情をしていた。

ロザリオはエミリーから、エミリオ作ったポーションは古書に書かれてる紫色をしていて、何度調合しても紫色であること。対してエミリーの作ったものは全ていつもの様に青かったこと。

材料はピュアウオーター以外は同じものを使ったこと。

今迄のエミリオのやらかしを見てる限り間違いなくエミリオの魔法力は、当時レパード大陸を代表するロザリオ、エミリーを遥かに超えているのは理解している。

『さて、エミリオの作ったポーションが本物のエクリサーか確かめるには…………』

「エミリー!クゥーさんは確か左手の薬指と小指を欠損してたよな!」

「たしか〜第二関節まで薬指も〜小指もけっそんしていたわ〜」

「ポーションの材料は間違いないから、飲んだことで悪くなる事は無いと思うからクゥーさんに飲んでもらうしか無いな!」

「人体実験〜みたいで気が引けるけど〜エミリオの作ったものなら大丈夫な気がするわ〜」

「だって〜私達の子供だから〜」

エミリーの表情は優しく、瞳には子供を信じてる光があった。

ロザリオもエミリーの顔を見て決心した。


「ゴクッ、ゴクッ」

「おおお、左手のさし指と、小指の傷の部分が痒くなってきた」

数分後クゥーの左手のさし指と小指の欠損が無くなっていた。

左手の薬指と小指の欠損部分は他のゴツゴツした指と違い綺麗な、家事仕事を一切したことの無いお姫様のような指をしていた。 

「クゥーさん!今回飲んだ薬はキャミーさん以外には!内緒でお願いできますか?」

「勿論ですとも、それに私たちは普段、家族とロザリオさん一家としか話し相手居ませんし」

「それもそうですね!はははは!」

「一応!旅人や商人などに話が漏れると!困ることになるのでよろしくお願いします!」

「私はよくわかりませんが、ロザリオさんがそこまで心配されるなら妻以外には絶対に話しませんので」

『エクリサーを作れることが世間にしれたら!間違いなく大事件になる!我が子は護らないと!』

『エミリオくん!何やっちゃてくれてるんだよ!はははは』

親の心子知らずとはよく言ったものである。

エミリオは許可が出るまでポーション作りは禁止された。


数日後クゥーさんの息子達がロザリオの家でエミリオと遊んでいる時、「うちのとおちゃん、トカゲの生まれ変わりなんだぜ、朝起きたら無くなってた指が勝手に生えてたんだ」

ロザリオとエミリーはクゥーさんが息子たちにもエクリサーの事は話してなく胸を撫で下ろした。


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