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エミリオの野望

『なるほどね〜、パパの故郷グロリア帝国とママの故郷のローレル公国は水と油みたいな関係だけど、相手の国には負けたくないと切磋琢磨した結果、お互いに先進国になったみたいだな』

『パパの書斎の本は6割が羊皮紙で、4割が洋紙でしかも本の半分は活版印刷だ』

『またチートの種が減った…、ママの話だとレパード大陸では石鹸も高級品だが出回ってると言ったな…』

『紙、活版印刷、石鹸は転生チートの王道なのに…めげないぞ…』

『でもレパード大陸にパパママ曰く4年前迄は蒸気機関は両国内で噂も計画も無かったらしい』

『僕はまだ3才の子供だからなぁ、どうか大人になるまで蒸気機関は発明されませんように』

『うちはパパの時空収納に狩りで手に入れた動物の肉を貯蔵できてるから、生肉で調理された料理を食べれてるけど、世間では塩に漬けた干し肉を水で塩抜きして戻してから調理してるのか』

『木材か金属で箱を作って、氷の魔法で冷蔵庫や冷凍庫の魔道具作れないかなぁ』

『この世界には、塩、砂糖、蜂蜜、ビネガー、胡椒、ニンニク、生姜は存在していた』

『コーヒー豆も気付薬として存在していた』

『豆類は様々な種類が普通に存在していたし、ロザリオ家の食事には必ずスープに豆類が入っていた』

『家の裏の畑には9種のハーブが植えられて増えていた、駆け落ちするときにママが城のハーブ畑から抜いて来たらしい』 

『セージ、タイム、ローズマリー、フェンネル、ラベンダー、パセリ、レモングラス、何とクミンがあって、そしてカモミールまであった』

『薬草と言われる植物も11種抜いてきて裏の畑で増えている』

液体飲み薬(ポーション)のベースに使われる6種と中々の手に入らないた言われてる5種類の薬草で、ママはこの11種類の薬草があれば大抵のポーションは作れると言ってたな』

『薬草と言っていた中にどう見てもニンニクと生姜にしか見えない植物があった、しかも凄く高価で希少な薬草と言ってたな』

『凄いな〜ニンニクや生姜も薬草扱いなんだ〜』

『コーヒー豆と粒胡椒も城にあったから、ママは苦くて嫌いだけど凄く高価な物だからと、実家から一握りづつパクってきたらしい』

『ママは第一王女なのに料理を作るのが好きで、何時も城の厨房に入り込んでは見つかり、ママの両親に怒られてたそうだ』

『ママは実家から綺麗でしよと鉢植えのトマトと鉢植えのトウガラシもパクッてきてきてた』

『僕が生まれたときからマドの所に鉢植えの赤い実のなったものがあるなとは思ってたが、まさかトマトとトウガラシだったとは』

『駆け落ちに普通は、薬草、ハーブ、鑑賞用の植物を持ってくるか?…ママだもんな』

『ママもパパもこれは鑑賞用だろ!と言ってたけど、トマトの実を食べてもらったら酸っぱいけどみずみずしくて美味しいと言ってそれからは畑で植えられるようになった』

『パパママがトマトが珍しい味がしたらしく、トウガラシも美味しいんだろうなと食べようとして、口に入れてヒーヒー言ってたのは笑ったな〜』

『前世が日本人だから醤油と味噌は欲しいなぁ』

『パンを焼く石窯も欲しいなぁ』

『パスタやそうめん、ラーメンの麺も作り方は分かるし材料もこの世界に有るから作りたいなぁ』

『居酒屋、ラーメン屋、洋食屋、手作りうどんチェーン店、手作り餃子が売りの中華店でもバイトリーダーしてたから基本的な事は体か覚えてるし…、社員じゃ無くてバイトリーダーてのが悲しいな』

エミリオは今、ママに頼まれて汚れた衣服、パパやママの長い間着ていない衣服、更にクゥー家に渡された衣服にクリーン魔法をかけながら絶賛悪巧みをしていた。 


先日狩りから帰ったパパとクゥーさんが血生臭かったので、エミリオは何も考えずに本で知ったクリーンを唱えた。

ロザリオやクゥーの衣服に付いていた返り血や異臭、ベタベタしてた髪の毛や体まで綺麗になっていた。 

「凄い〜エミリオ〜」

それを目の当たりにしたエミリーがケタケタ笑ってた、瞳には光がなかったが。

『流石はロザリオさんとエミリーさんの子供だ、ちっこいのに魔法を使えるとは大したもんだ』

クゥーは別に驚きもしていなかった。

「スゴイナエミリオ!クリーンモツカエルノカ!」

「はい!本に呪式が書かれてたのでイメージしやすかったから簡単でした」

『エミリオくん!…呪式みてイメージ掴めたからって!無呪文でクリーン使えちゃたの?!幻や伝説の中の魔法と言われてるクリーンが簡単?!…』

「はぁ〜!」

ロザリオは最近は耐性が付いたのか深くは悩まなくなっていた。

23歳である意味サトリを開いていた。


狩りで仕留めた獲物は家のそばの小屋で捌き、毛皮や皮をはぎ、肉は部位を分けてエミリオの時空収納にしまう。

時空収納は時が止まったままなので、肉が腐ったり雑菌が繁殖することはない。

最近は狩りで取ってきた獲物は、一度エミリオがケアルを唱え、弓矢や罠で傷がついた部分の損傷を再生してからロザリオとクゥーがきれいに皮を剥いでいる。

幾ら規格外のエミリオでも、本人は知らないがこの世界の次元管理者に魂関連は干渉出来なくされてるので、死んだものは生き返せないが、たまに瀕死の兎や山鳥がエミリオのケアルで完全復活して大騒ぎになる事もあった。

剥いだ毛皮はエミリオがクリーンを唱えて血や臭いや泥汚れ等を落としている。

少しでも高く売れるようにとのエミリオの進言だった。

野生の豚や牛、大型草食動物、野兎や山鳥は肉に癖があまりなく市場で特に人気がある。


出汁が取れる骨は以前は解体してそのまま煮ていたが、エミリオの進言で骨はよく洗ってから30分煮て、一度煮汁を全部捨ててからもう一度煮るようになった。

確かにエミリオの進言通りにスープを作るようにしてから独特の臭みが消えパパやママに評判が良かった。

出汁を取った骨は魔法で粉砕して、エミリオが畑を魔法で耕すときに混ぜている。

『トマトは元々高山植物で肥養な土地より痩せている土地の方か美味しくなると何かでみたな』

『僕が魔法で耕起した土地は肥養だから、別の場所に植えてみるかな』

「うふふふ」

エミリオは今目の前にある植物を使ってどんな料理を作ろうか想像して楽しい気持ちになっていた。



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