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ロザリオ一家大惨事!妹除く

3才の誕生日を迎えた丁度一ヶ月後の昼下がり、エミリオはパパとママに呼ばれて家の裏の原っぱに居た。

「エミリオお前はレパード大陸で最上級魔法使いと言われたパパとママの子供だ!先ずは魔法使いとしての素質があるかテストする!」

「エミリオ〜ママもパパも産まれた国は違ったけど〜、レオパード大陸では魔法使いの子供は3才の誕生日を迎えて1ヶ月後このテストをやらされたわ〜、魔法使いの素質がなくても平気だから気を楽にして受けてね〜」

『パパやママからその後色々説明を受けた、どうやら魔法は体の成長や負担を考えて産まれてから37ヶ月経たないと訓練もしてはいけないみたいだ』

「うむ!パパの兄さんもこのテストを受けたが魔法使いの素質は皆無だったな!ママの兄上も素質はなかったな!それはそれで勉学、剣術等他の道を探せばいいだけの事だから楽にやろう!」

『よいよ魔法を使えるのか試すんだ!オラ何だかワクワクしてきたぞ!どうせ魔法を使えなくても前世の記憶でチートしてやるふふふ』


テスト自体は簡単なものであった。

「エミリオ!両足を両肩の幅に開いて両腕を軽く横に開いて手も開いて深呼吸!」

『パパとママが目の前で僕と向き合って同じ事をしてくれてる』

「息を吸ってすぐに息を吐かないで〜、お腹のヘソの部分に力と気持ちを集中してマナを貯めるのよ〜」

「最初はおへそのあたりが温かくなって〜、毎日練習して素質があれば1週間位で何となくヘソから胸まで温かみを感じるようになるのよ〜」

「それが感じ取れたときに〜息を思いっきり吐きながら〜、両手を開いたまま前に差し出して〜指先に力を集中させて〜、何かでろ〜!て念じると何かの魔法がでるから〜」

「うむ、魔法の素質がなければヘソの周りも温かく感じないし、多少感じても胸まで温かみは感じないからな」

「指先から小さい炎とか水とか氷とか〜小さくてかわいいのが出るから〜それでエミリオの属性が分かるの〜」

「ママやパパみたいに属性を2つとか持ってる時もあるから〜指先から何か出たら次に妖精を魔法の力で呼んで目の前に来た妖精でその人の全部の魔法属性がわかるの〜」


「ははは!エミリオ緊張するな!毎日1時間訓練するが、初日で出来たものはいないからな!大体5日から7日位かかるから今日は気楽にやろうな!」


「それじゃぁ!始めるぞ!息を吸ってぇ!はい止めてヘソに集中!指先に集中したら息を吐きながら何かでろ!と念じる!」


「ドゥオォーン!ボォワァァァ!」


ロザリオの言葉が切れた瞬間!エミリオと両親の目の前に突如幅2m高さ30mの巨大な火柱が轟音と凄い振動と共に現れた。

その火柱はすぐに消えたが、エミリオもパパもママも前髪が焼けていた。

「きゃきゃきゃきゃきゃぁぁぁあ〜」

家の方からベビーベッドにいる妹のロザリーのはしゃいでる声が聞こえていた。

現場にいた3人はフリーズしていたが、いち早くエミリーが再起動してウオーターと唱えエミリオ、ロザリオ、そして自分に水をジャバジャバとかけた。

『パパとママの目が死んでいる……何か見てはいけないものを見た目をしている……』

『え〜やれって言うからやっただけなのにい……』

ロザリオは自分の可愛い子供を見て考えを整理してた。

『何これ?!今のは上級魔法のファイアフレームだろ?!非常識にも程があるんじゃないか?!』

「うわ〜凄〜い〜流石ママとパパの子供だわ〜」

エミリーだけは脳天気に我が子を褒めていた。

「ほらぁ〜パパもエミリオを褒めて〜、私達も初めて魔法を出したとき〜周りのみんなが褒めてくれたでしょ〜」

『エミリーの言うことは理解できるが!最初の一回でしかもこの魔法は上級魔法だぞ!しかも無呪文だぞ!』

ロザリオはまだ頭の中がパニック状態だ。

ポンポン!エミリーがロザリオの背中を2度叩いてにこやかな表情をしている。

瞳に光は無かったが。

「だって私と貴方の子供ですよ〜凄くて当たり前じゃない〜エミリオ凄いねぇ〜」

ロザリオは先程までパニクッてたのが恥ずかしくなった。

「そうだよ!俺達の子供だからな!ははははは!」

「今日はいきなりだが魔法素質が有り余ってるのが分かった!今日は魔法力回復のため今日の訓練は終わり!」

「明日の昼に属性検査するからな!お前もあんな凄い魔法出して疲れ切ってるだろうから今日はゆっくり休め!…………………」

「はい!」

目の前の我が子は元気よく返事をして、クゥーさんの家に向かってとことこ走って行った。

『嘘だろぉ!3才で何故上級魔法を出してるのに動けるんだ?普通魔力切れ起こして倒れるだろ!』

何とも言えない表情で我が子を見ているロザリオ

ポンポン!「私達の子供エミリオですから〜」

満面の笑みでエミリーはロザリオを見つめていた。


エミリオが昨日規格外過ぎて考えが落ち着かないロザリオだが、エミリーのお蔭で一応は考えがまとまった。

『エミリオだからな!と思えば済むことじゃないか!うん!うん!何悩んでたんだよ俺!エミリーの言うとおり俺達の子供だから凄いんだと思えば良いんだ!はははは!』


一夜明け昼下がり、今日は魔法属性のテストを行う。普通ならば魔法訓練を5〜7日やった後に行うものである。

『エミリオに火属性があるのは分かった!きっと火属性に特化してるからいきなり上級魔法を使えたんだ!』

頭の中を整理したと言いながら未だ整理が済んでないロザリオだった。

昨日と同じ家の裏の原っぱにロザリオとエミリオとエミリーがいる。

妹のロザリーは今日も家の中のベビーベットからこちらを見ている。


「以前も話したが魔法には火、水、風、地、光、(重力)の6属性と古書には有るが、実際は火、水、風、地の4属性しか確認されてない!今日はエミリオに火以外の属性があるかテストする!」

「今回は精霊様を呼ぶのではなく妖精を呼ぶだけなので呪文は要らない!昨日と同じ呼吸法を使って!何か出ろでは無く、何か来い!と念じるだけだ!」

『今回の魔法は召喚魔法に近く!呼ぶ者より魔力が低い者が呼ばれる!無呪文で魔法を出せたなら妖精なら呼べるはず!』

「エミリオ!準備は良いか!」

「はい!」

エミリオが元気に返事をした。

「息を吸って!はい息を止めてヘソに集中!はい!指先に集中!息を吐いて!何か来い!と念じろ!」


今3人の目の前に6体の何者かが現れた。それぞれ身長は3m前後である。


『おいおい!普通妖精は15cm位だぞ!何このサイズ!』

ロザリオはまたテンパっていた。

「エミリオ凄いね〜ママ〜この方達見た事ない〜」

エミリーは我が子を満面の笑みを浮かべ褒めまくってた。

瞳に光は無かったが。

6体の何者か達も自分達を呼び寄せたのがこのちっこい幼い美少女で驚いていた。

本当は美少女では無く男の子なのだが。


6体のうちの一人がエミリオを見つめ口を開いた。

「そちが我らを呼んだのか?」

「はい!」

エミリオは元気に返事をした。

エミリオに呼び出された6体が一瞬フリーズしたが、直ぐに再起動してそれぞれ挨拶と自己紹介を始めた。

「私は水の精霊ウンディーネ」

「我は火の精霊サラマンダーだ」

「私は風の精霊シルフィード」

「我は地の精霊ノーミード」

「私は光の精霊アルカディア」

「重力の精霊グラォロメルだ」

ロザリオは目の前の6体の挨拶を聞いた途端、彼の人生で一番の衝撃的を受けてスーパーフリーズしている。

『…………今聞いた……名前は古書に書かれてる6大精霊王の名前なんだが……』

『…しかも存在しないと言われてる光と重力の精霊……しかも精霊王が…』

取りあえずロザリオは何とか再起動をした。

「エミリオ〜凄いわ〜6人も精霊王様達を呼んじゃうなんて〜流石〜私達の子供だわ〜」

脳天気に我が子を満面の笑みを浮かべ褒めちぎってるエミリーを見てロザリオも現実を受け入れることにした。

「エミリオだもんな!はははは〜!」

「そうよ〜エミリオですもの〜ふふふふふ〜」

エミリオがパパとママから声をかけられ振り向いたら、笑顔なのだが瞳に光の無い両親が居た。

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