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キコリの異世界譚  作者: 天野ハザマ


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合理的な思考

 稲妻放つ斧がゴブリンジェネラルへ向かって飛ぶ。

 凄まじい音と光を放ちながら飛来する斧を、ゴブリンジェネラルは盾で防ぐ。

 それが「ただの投擲」であれば、それで正解だったのだろう。

 だが、それは「ただの投擲」では断じてない。

 ミョルニルの魔法によって強化された斧の一撃はゴブリンジェネラルの盾に轟音をたてて衝突し、そのまま盾の表面を流れた稲妻が周囲にまき散らされ、駆け寄ってきたゴブリンたちを撃ち焦がす。

 その原因となった斧はそのままミョルニルの効果により、キコリの手元へ。

 だが……斧が戻る場所は、キコリが投げた位置ではない。

 斧の衝突の瞬間に、キコリはゴブリンジェネラルの側面へと回っている。

 斧に籠めた自分では出し得ない魔力によるミョルニルは、囮。

 あのデカい盾で防がれないと思うほど、キコリは楽観主義者ではない。

 普通の斧で仕留めようとも思っていない。

 仕留めるつもりがあるならば、本命はマジックアクス。

 それにミョルニルの威力を籠め、隙を狙って放てば。

 そう考えたキコリの眼前を、ハルバードが掠る。


「……!」


 それはホブゴブリンのリザードライダー。

 今のミョルニルの一撃で、ゴブリンジェネラルが危険だと考えたのだろうか。

 だが、邪魔だとは思わない。

 丁度いい、と。キコリはそう思う。

 再度振るわれたハルバードを躱し、キコリはリザードランナーに抱き着く。

 別におかしなことをしているわけではない。その、狙いは。


「ギ、ギイイイイイ!?」


 身体から魔力を吸われる違和感に、リザードランナーが悲鳴を上げながらホブゴブリンを振り落とす。

 そう、キコリの鎧の魔石は魔力を吸い取る。

 それをリザードランナーにしてやっただけのこと。

 使えば無くなる魔力の現地補給。実に合理的な思考の結果だった。


「死ね」


 落馬したホブゴブリンにマジックアクスを振り下ろし、キコリは一撃で絶命させる。

 狙う場所さえ狙えば、難しいことではない。

 隙だらけの相手に出来ない方が不思議だ。


「ギイイイイイイ……」

「ふうう……」


 唸るゴブリンジェネラルを真正面から睨みつけ、キコリは息を整える。

 ちょっとの油断が死につながるこの状況。

 勿論油断などはしない。そんなに自分が強いなどとキコリは間違った自惚れをしない。

 油断など微塵も無しなくても死ぬ。

 その現実をしっかりと見据えながら、キコリは斧を構える。


「チャージ!」


 クーンの魔力と、吸収したリザードランナーの魔力。

 混ざり合うその2つの魔力を、キコリは自分の中にさらに混ぜ込んでいく。

 荒ぶる感情は、更に強く。

 破壊衝動は、更に強く。

 キコリは、ゴブリンジェネラルへ向けて一直線で駆けていく。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ゴブリンジェネラルってのは、多少装備揃えた駆け出しが勝てるような相手なのかなぁ。
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