戦闘スタイル同じだろ
「できれば、気になるんで今教えて頂けると……」
キコリがそう言うと、ミルグは苦い顔をする。
「お前……そこは『分かりました!』ってなるとこだろ」
「そうかなとは思ったんですけど、生殺しにされるのも辛いので……」
「まあ、そりゃそうだけどな」
「あ、納得するんですね」
鎧を着込んだクーンがそう言って笑うが、ミルグにひと睨みされるとサッと視線を逸らす。
「まあ、いい。説明してやる。こいつはな、冒険者が使う鎧としては欠陥品なんだ」
「欠陥品……ですか」
「ああ。元々のコンセプトは継戦能力を高めるための鎧でな」
言いながら、ミルグはあしらわれた魔石を軽く叩く。
「この鎧についてる魔石は全部『魔力を溜めて取り出す』だけのものだ。それ以外の特殊な効果はないが……まあ、それによって本人の魔力以上の魔法を放ったり、いざという時の助けにすることを想定したわけだな」
「凄いじゃないですか」
「目算通りにいけばな」
実際にはそうならなかったのだという。
鎧につけたのが悪かったのか、あるいは魔石の組み合わせか金属との相性か。
とにかく鎧は想定外の効果を発揮してしまったのだ。
「どんな効果を……?」
「チャージする魔力を選ばなかったんだ。触れたものの魔力を自分の限界まで吸い取る困った魔石になってな。そうするとどうなるかっつーと」
「魔力の不適合、ですか」
「そうだ。流石神官だな、知ってたか」
クーンの答えにミルグが頷く。
「違う生物同士の魔力を混ぜると、上手く混ざり合わずに悪影響が出る。具体的な症状は……」
「攻撃性の増加。いわゆるバーサーク現象だな」
それは大問題ではないのかとキコリは思う。
しかし同時に使い方次第かもしれないとも思う。
たとえば、鎧の魔石の魔力を空にした状態で敵に抱き着けば、魔法の発動を妨害できるかもしれないということだ。
「なんか使い方思いついたって顔してるが……俺が薦めるのはそれだけが理由じゃないぞ」
「え、他にも何かあるんですか?」
「おう。お前さ、どうせアリアと戦闘スタイル同じだろ?」
「同じ、かは分かりませんけど」
「ウォークライでテンション上げて突っ込む」
「……概ねその通りです」
「だろうと思ったよ。アリアと気が合うのは同じタイプの人間だわな。で、だ。アリアは自分のテンションでバーサークするがよ。お前はそこまでじゃないだろ」
「自分のテンションでバーサーク」
「俺が言ったって言うなよ? 剣士だ戦士だ神官だって名乗る中でな、アイツの冒険者時代の分類は『バーサーカー』だったからな」
無茶苦茶強かったのは確かなんだがな、と。
そんな事を言うミルグだったが……キコリはなんとなく察していた。
この鎧を買って帰ったとして。
ミルグに薦められたって事実が知られた時点でバーサーカー云々の話もバレるだろうな……と。
アリアが冒険者ギルドの物販コーナー担当なのは、そういう戦闘力的な理由からです






