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キコリの異世界譚  作者: 天野ハザマ


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アダン王国の王都ガダント

 アダン王国の王都ガダント。それは黒鉄山脈と呼ばれる雄大な山々を背後に臨む、大規模都市であった。

 あちこちから煙が昇り、金属を叩く音が響く。それだけなら防衛都市ムスペリムと似ているが、規模が段違いだ。


「遥かな山、黒鉄山脈の坑道の香り……か」

「何それ」

「ムスペリムで吟遊詩人が歌ってたやつ」

「そういえば何か歌ってたわね」


 ツルハシの音響きゃ思い出す

 遥かな山 黒鉄山脈の坑道の香り

 鍛冶場の熱と煙の色よ 空まで煙りゃ服まで煤塗れ

 煤払いの日に見えた空の青さは何処でも同じ

 夢見て出てきたこの場所は 同じ空だと思えばこそ


 そんな歌だったが、この王都ガダントのことを歌っていたのだろうと今のキコリには思えた。

 となると、あの山々は鉱山ということになるが……こうした場所でドワーフ製の様々なものが出来て輸出されていくのだろう。

 それを買い求めるためだろうか、普人や獣人、エルフといった他種族もそれなりに見受けられる。

 武具を売る店も通りに並んでいて、吟味している商人やら冒険者やらもいる。


「もうちょっと見た目が派手なやつないか?」

「そんなもんはないね。細工物が欲しけりゃ他所に行きな」


 そんな普通人の客と店主の声も聞こえてくれば、エルフの商人の交渉の声も聞こえてくる。


「黒鉄の矢だ。このサイズで揃えてくれれば大量に買うんだが」

「ふーん……まあ、出来るが時間と金はかかるぜ。どのくらいみてるね?」

「予算はこのくらいで、期間としては……」


 既製品を買う者、注文を出す者……様々だ。モンスターでいえばオークが鍛冶屋をやっていたのと同じなのだろうが、此処はもっと大規模だ。


「なんか凄いな」

「そうね。普通に商売してるわ」


 オルフェの言う通り、ここのドワーフは異種族相手にも嫌がらずに商売をしている。

 ……というか、鍛冶技術が売りならそれで商売をするのは当然のことなのだが、まあそれはさておこう。とにかく、此処では情報がある程度得られそうだ……ということだ。

 防衛都市ムスペリムと同じように考えるのであれば、昼から酒場が開いているかもしれないが、吟遊詩人がいるかどうかは分からない。

 それでもひとまず周囲の店を見ながら歩いていくが、客は異種族がやはり多いようだ。

 まあ、ドワーフが鍛冶が得意でこれだけ店が並んでいるなら、そうした「外からの客」用の店であるのかもしれないが……何処も愛想が良いとまでは言わないが、敵意は見せていない。


(防衛都市が変ってこともあるか……?)


 荒くれ者だらけの心の余裕のない場所。そんなことを考えるキコリだが、オルフェの「ねえ」という言葉に「分かってる」と頷く。


「えーと……何か用か?」

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