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キコリの異世界譚  作者: 天野ハザマ


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どちらにせよ迷惑

 銃さえ破壊してしまえば、もうこの建物には用は無い。無いが……他に何が残されているかも分からない。一通り探索してみると、やはりというべきなのだろう、設計図、というよりはメモ書きのようなものが幾つか見つかった。


「やっぱり読めないな」

「そうね」


 異界言語で書かれた文字は読めないが、描かれている絵で銃を作るためのものであると分かる。

 どうにも完成系が頭にあって、それを上手く作るための設計図であるように見えたが、実際そうなのだろう。

 異世界の武器である銃の完成系が頭にあって、それを作ろうとしたのだろうから。

 とにかく、それもまとめてブレイクで破壊すればいよいよ此処には何も用はない、はずだが。


「……何処かに隠し部屋とかあったりしないよな?」

「可能性はあるけど。それなら魔法で吹っ飛ばしとく?」

「いや、やめとこう。爆発するものが中にあったら問題だ」


 そう、魔法で攻撃した影響で連鎖爆発でもしたら大問題だ。しかしそれを恐れて何らかの「銃」の可能性を見逃すのも問題だ。誰かがうっかり作って死んだというのでは、少しばかり寝覚めが悪い。

 だから、キコリは建物に手を触れる。そう、派手に破壊するから問題なのだ。爆発物に影響を与えないように壊すのならば、やはりこれが一番だ。


「ブレイク」


 唱え発動すれば、建物はいとも簡単に崩壊する。これで、もう何も問題はない。後から誰かが来ても、門と塀しかない廃墟を見つけるだけになるだろう。そんな場所から銃の情報を見つけ出すことなど不可能だ。


「ふう……これで良し」

「それにしても。これ作った奴も、おかしなものに没頭したもんね。普通に魔法を極めるとかじゃダメだったのかしら」

「さあな。道具として作った『先』をどう考えてたかにもよるだろうな」


 たとえば、異世界で会った転生者のように自分が優位に立つための武器として作っていた可能性もある。その場合は、かなり面倒なことになっていた……かもしれない。

 あるいは、モンスターを倒すための武器として開発していた可能性もある。

 神々がこの場所を放置していたのであれば、そちらの可能性のほうが高いかもしれない。

 まあ、どちらにせよ迷惑であることに変わりはないのだが。


(そういう意味では、アサトは権力欲は無さそうな言動だったけど……まあ、口では何とでも言えるからな)


 今でもシャルシャーンを探しているのか。何処でシャルシャーンの名前を知ったのか。

 聞くべきことはたくさんあるが、正直に答えるかも分からない。

 だが、まずは見つけ出さなければいけない。その為にも……一刻も早く、人間の町に着く必要があった。

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