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キコリの異世界譚  作者: 天野ハザマ


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本当の意味でフォローしてやれるのは

 オルフェ。妖精女王オルフェ。

 アイアースの記憶では妖精女王は別の個体だったはずだが、知らないうちに代替わりしたのだろう。

 それについては、別にどうでもいい話だった。オルフェ自体はあの魔王とかいう奴がアイアースがあの場に残した魔力を上回ることが出来るはずもない。つまり、オルフェの無事自体は保証されている。

 問題はあの魔王を名乗るアホと、アホドラゴンだ。ドラゴンのくせに洗脳なんかされたアホはどういう経緯でそうなったか想像できるし恐らく想像通りだろうが、まあぶっ殺しても文句は出ないだろう。

 魔王そのものの方は……いささか面倒だ。全部押し流していいなら話は楽だが、キコリは絶対に賛成しないだろう。

 ちょっと前までのアイアースであればキコリがなんと言おうと大海嘯で押し流していただろうが、今は少しばかり情のようなものがわいてきてしまっている。

 出来れば嫌われたくない。そう思う程度には仲間意識のようなものがあるのだ。

 ……というか、他のドラゴンの性格がアレすぎて会話の普通に成り立つドラゴン仲間を逃したくないというのはあるのだが。どいつもこいつも「自分が一番マシ」と思っているから最悪だ。さておいて。


「オルフェ、か。随分長いみてえだな」

「いや。長いかと聞かれるとそうでもないな。ただ、結構濃い時間を過ごしてきたとは思う」


 人間の頃からの付き合いだしな、と言うキコリにアイアースは「ふーん」と返す。

 本人が気付いているかは知らないが、オルフェの話をするときはいつもの諦めたような顔に僅かな笑みが浮かぶ。

 大切に思っているのだろう、と。そう思える態度だった。まあ、オルフェのほうのキコリへの過保護っぷりも相当だったが……まあ、恐らく「今のキコリ」を構成しているのはオルフェの影響によるものだろうとアイアースは推測していた。

 アイアースから見たキコリは、未だに人間の姿を放棄していないのが不思議なくらいの戦い方をするドラゴンだったからだ。

 放棄したところでシャルシャーンやドンドリウス、あるいはアイアースのように人間の姿にもなれるのだから、その辺に頓着する必要は本来ないはずなのだけれども……恐らくはオルフェがその辺りの鍵ではあるのだろう。


(つまり今はその鍵が緩んでる状態ってわけだ。はー……めんどくせえ。めんどくせえが、俺様がフォローしてやらにゃならんのだろうなあ)


 元の世界に帰還するための今回の旅は、恐らくまだ一波乱くらいはあるだろう。そうなった際に本当の意味でフォローしてやれるのは恐らくはアイアースだけだ。そういう意味では、ドラゴンとしての本来の力を発揮できないのはあまりにも心もとない。

 アイアースは心の底から、そう感じていた。

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― 新着の感想 ―
[一言] 初登場のあたりを思い出すと、ほんと印象変わりましたねアイアース。
[良い点] 友情が尊すぎてつらい
[良い点] アイアースすっかりお母さんに……
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