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キコリの異世界譚  作者: 天野ハザマ


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覚悟決めろ

「まあ、確かにモンスターハザードとは似てないね。アレはモンスターが激増するらしいし」

「だな」

 

 言いながら歩いていて、キコリはふと思う。

 そういえば、オークがゴブリンを絞め殺していたことがあったが。

 考えてみると、ゴブリンはオークに殺されるような「何」をしたというのだろう?

 命を代償として支払うような何かとは……何だ?


「……ゴブリンがオークを殺した、とか?」

「それって異常の話?」

「ああ。俺はゴブリンがオークに殺されるのを見た。それって、ゴブリンがオークを殺したからなんじゃないか?」

「……だとすると、それは」


 考え込むように顎に手をあてたクーンが、ハッと顔をあげる。


「キコリ!」

「!? ぐうっ!?」


 凄まじい速度で投げられた石をキコリは慌てて回避する。

 顔面のすぐ横を通り過ぎた石はキコリの頬に僅かな傷を作る。

 僅かに掠っただけで……だ。命中していたらどうなったか考えたくもない。

 そして……手の中でジャラジャラと石を遊ばせている「ソレ」が姿を現す。

 緑色の巨大な体躯。何かの……人間以外の頭骨をネックレスにして、鉈剣と鎧を纏うその姿。

 しかし、その装備は……オークのそれに似ている。

 いや、まさかオークのもの……? けれど、あれは。


「……ゴブリン」

「ホブゴブリンじゃない。もっと何か、別の……そうか、異常進化体……!」

「じゃあビッグゴブリンだな! やるぞクーン!」

「え、本気!?」

「逃がしてくれる顔してないだろ!」


 ニヤニヤと笑っているビッグゴブリンだが、その手の中ではまだ石をジャラジャラさせている。

 逃げるために反転でもしたら、避けられるとは思えない。


「真正面からやるしかないんだよ……! 覚悟決めろ!」

「……! 分かったよ……!」


 キコリが斧を構え、クーンが鉄杖を構える。

 そんな2人にビッグゴブリンが「ギヒッ」と笑い石を纏めて投げつけるべく振りかぶる。


「クーン! 横に跳べ!」

「うん!」


 2人がそれぞれ反対方向に跳んだ瞬間、その場を散弾銃のように凄まじい勢いで石が通り過ぎていく。

 そしてその瞬間には、もうキコリもクーンも飛び出している。

 合図など要らない。ほぼ同時にキコリとクーンが両方向から飛び出して。

 キコリは足に向けて斧を振りかぶり、クーンは鉄杖をビッグゴブリンの脇腹へと突き出す。

 完璧に思えた連携は、しかし。ビッグゴブリンが上へと跳んだことでご破算になった。


「なっ……」

「え……」


 慌ててその場を退避する2人。だが、跳んだなら落ちてくる。

 そこを狙ってやればいい。

 ズシン、と。落下の衝撃が地面を揺らして。

 それは、ほぼ直感。しゃがんだキコリの頭上をビッグゴブリンの振るった鉈剣が通り過ぎて。

 反対側から襲い掛かったクーンが、鉄杖ごと拳の一撃で吹き飛ばされていた。

キコリ、命名センスはあんまりない。

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― 新着の感想 ―
[一言] ビックって…… 進化するとおっきくなるみたいだから、どれもビック……(笑)
[一言] 次々と強敵に遭う呪いの掛かっているとしか思えないキコリ! 今日もなんとか生き延びろ!!
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