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キコリの異世界譚  作者: 天野ハザマ


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考えても仕方のないこと

 そうして進んでいった先に、転移門はあった。

 海中でありながら明らかに空間が歪んでいるのは、ある種の不可思議な光景ではあるが……まあ、今更だ。今更ではあるのだが、こうして見ると不思議な気分でもある。


「此処に海水があるのに歪んでる……か。不思議だよな。海水だってモノだろうに、此処を通り抜けてはいかないんだよな」

「そうね。たぶん『本来の場所』と行き来してるんでしょうけど。空間の歪みなんてものをマトモに検証しようと思うと人生数回やっても足りないわよ」

「あー。それについては女王陛下も気にされていたな。確か……そうだ。空間の歪みはそれ自体が何かおかしなものを引き寄せるかもしれない……だったか?」


 フェイムのその言葉に、キコリとオルフェは視線を交わし合う。

 何かおかしなもの。それが何であるかは、なんとなくだが想像がついているからだ。

 しかし、そうであるとは限らない。だから、それを口にすることはしない。

 そもそも「そう」であるならば……キコリ自身だって。


「でも空間の歪み……転移門を消すことはできない。そうだろ?」

「まあ、女王陛下も無理とは仰ってたなあ……ただ、何かを探しておられたようではあった」

「……その何かって?」

「分からん! だが、それを探すために女王陛下は旅立たれたのだと私は思うぞ!」


 結果としては先代妖精女王は殺されてしまったし、その「何か」は見つからなかったのだろう。

 しかし……先代妖精女王にはダンジョンの変化を止める、あるいは遅らせるような、そんな何かに心当たりがあったのかもしれない。

 勿論、そんなものに当てなどなく、ただ探し回った可能性もあるが……。


「会えなかったのが残念だな」

「まあ、そうね。どうしようもないけど」

「話が難しい。ドドにはよく分からん」


 ドドがそんなことを言うが、結局のところ「よく分からない話」ではある。

 ただ、あの時シャルシャーンはこう言っていた。

「分断されたダンジョンの統合が進んでいる。何もかもが変わっていく……世界の混沌は強まっていくだろうね」と。

 そう、ダンジョンの統合。それが進んでいく先は、何なのだろう。

 エリアに分かれた今のダンジョンがまた1つに戻るとでもいうのだろうか?

 分からない。キコリたちに、分かるはずもない。


「……これも考えても仕方のないことか」


 キコリはそう溜息をつくと、転移門を見つめる。

 この先がどうなっているかは分からないが、あのサレナが待ち構えているかもしれないし、違うかもしれない。だが、どの道警戒の必要はある。


「皆、転移と同時に襲ってくる……くらいのつもりで行こう」

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