表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
キコリの異世界譚  作者: 天野ハザマ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

481/837

どういう方法でこの海を越えていくか

 キコリの予想通りに、ストゥムカイトも蛇モンスターも襲ってはこなかった。

 正確には蛇モンスターは土から顔を出さず、ストゥムカイトは離れた高空で旋回しているだけだった。

 その理由は「無惨に死ぬことを恐れた」からなのだろう。

 片方は空を飛べることを利用した、もう片方は地中から……一方的な攻撃だけでどうにかしていたのだから、それを仲間が完全に撃退され無惨に殺されたのは、相当に危険度の高い相手だと考えても無理はない。

 そして生き物であれば、そんな無理をしてまでキコリたちを狩りの対象にしようなどとは普通は考えない。

 つまり……キコリたちをスルーする、というのが結論になるということだ。

 誰だって死にたくはない。狩りは勝てない相手に挑むことを意味はしていないのだから。


「キコリ、事情はよく分からんが……大丈夫か?」

「ああ、問題ない。逃げ道はないってだけの話だから」

「そうか。だが、いつでも言え。たいしたことは出来んが話を聞くだけならドドでも出来る」

「私も出来るぞ! 聞くのも話すのも得意だ!」


 キコリはドドとフェイムをじっと見ると、フェイムをそっと手の平で視界からどけてドドに「その時はよろしくな」と微笑む。


「何故私をどかした!?」

「フェイムはちょっと……まあ、ほら。まだ付き合い浅いしな……」

「む、確かにな」


 というか「話すの得意」がどういう意味での「得意」か不安過ぎて何か話すのが憚られるのもあるのだが、さておいて。


「そういえば、オルフェは先程大きくなってたが、どういう魔法なんだ?」

「あれは私の力であって魔法じゃないわよ」

「そうなのか⁉ む、そうなると……まさか女王候補とは!」


 キコリもオルフェもフェイムも無言。恐らくはそういうことなのだろう。

 だからこそ襲ってきた。そしてあちらもオルフェを殺していないことは気付いている可能性も充分に有る。

 他に候補がいるのだと思ってくれていればいいが……あまり希望的観測に頼らない方がいいというのも知っている。


「いや、待てよ。そういえば……殺された妖精女王の死体は、何処にいったんだ?」

「デュラハンが回収したんじゃないか?」

「……まあ、そうかもな」


 フェイムのお気楽な言葉はまさに希望的観測だが……まさかこんなことでギエンを呼んでみるわけにもいかない。


「まあ、いいか。今のところ、それが分かってどうなるわけでもない。それより問題は……」


 キコリたちは、目の前の海をじっと見つめる。

 寄せては返す波。この海岸の向こうにサレナがいるのであれば、行かなければならない。

 だからこそ、問題は。


「どういう方法でこの海を越えていくか……だな」


 恐らくは魔法で破壊されたと思われる無数のボートの残骸を見ながら、キコリはそう呟いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
書籍版『キコリの異世界譚』発売中!
『キコリの異世界譚』1巻書影
コミック『キコリの異世界譚』も連載中です!
『キコリの異世界譚』1巻書影
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ