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キコリの異世界譚  作者: 天野ハザマ


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竜化

 先程とは全く違う場所からの襲撃。だが、空中に居る分だけ時間の余裕はある。


「ミョルニル!」


 電撃纏うキコリの斧が投擲され、蛇モンスターの口に命中し電撃を流し込む。

 ……いや、流し込めない。電撃はその表面を滑っていき、キコリを抱えたまま回避するオルフェのすぐ横でバクン、とい口を閉じる音を響かせながら再び地面へと潜っていく。

 そして、ほぼ同時に急降下してきていたストゥムカイトがキコリたちに襲い掛かり「飛べないキコリ」を正確に見極めて高空へと奪っていく。


「ぐ、う……!」

「キコリ!」


 オルフェの放つ魔法を回避しながらストゥムカイトはキコリを砕こうと嘴に力を籠めていく。

 ミシミシと響く音は鎧がたてているのか、それとも骨が軋む音か。

 キコリは自由になる手で斧を生み出し叩きつけるが、分厚く硬い羽毛に阻まれて全く通じていない。


(クソッ、ダメだ……やるしかない!)


 魔力のチャージ量を引き上げることにより各種能力をドラゴンのものへと変えていく竜化。

 確実に自身の身体を破壊するそれを、キコリは迷いなく発動する。

 瞬間、キコリの鎧の強度……そして斧の切れ味が比べ物にならない程上昇する。

 斧は爪、鎧は鱗。ドラゴンに相応しいものになった斧が、ストゥムカイトの羽毛を簡単に引き裂き肉へと到達する。


「ギイエエエエアアアアア⁉」


 痛みと共に地面への落下を始め、それでも力の緩まない嘴をキコリはこじ開け跳ぶ。

 勿論キコリは飛べはしないが、「今」の身体能力であれば無様に潰れたトマトのような姿になることはない。


「キイエエエエエエエエエエ!」

「キエエエエエエエエエ!」

 

 だが、他のストゥムカイトが凄まじい勢いでキコリを突き高空へと吹っ飛ばし、多少高度が落ちたところを別のストゥムカイトが更に吹っ飛ばす。


(斧を使わせない気か……! だが、それなら!)


「ミョルニル!」


 電撃纏う斧をストゥムカイトはアッサリ回避し、キコリの手元に戻る為に「戻ってくる」斧をも回避する。まるで後ろに目がついているかのようだが……「これも避けるかよ……!」とキコリは舌打ちする。

 となると、グングニルも撃てない。避ければ地上に居るドドたちにダメージがいくかもしれない。

 なら……とるべき手は1つだ。


「キイエエエエエエエエ!」


 再びキコリを高空へと跳ね上げるべく超高速の体当たりを仕掛けてくるストゥムカイトは……その衝突の寸前、嫌な予感を感じて回避を考える。だがもう衝突寸前。出来るはずもない。あまりにも速すぎて軌道の修正すらもう効かない。だからこそ。


「ブレイク」


 自分に触れた手の先から流れ込んだ「破壊」に蹂躙され、ストゥムカイトは粉々に消え去った。

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