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キコリの異世界譚  作者: 天野ハザマ


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遠くに見える海

 そんなことを言っていると、スタンプボアは転移門を潜り抜けて次のエリアへと飛び込んでいく。

 そこは今までの草原とは違い、塩っぽいような香りのする場所で……ドドがスタンプボアを叩くと、急停止してその場に立ち止まる。

 聞こえてくる音は……波の音だろうか? よく見れば、遠くに水平線が見えている。

 どうやら此処は、海岸とその付近で構成されたエリアのようだ。


「降りよう。此処から先は歩いていくべきだ」

「ああ」


 何故ドドがそんな事を言うのかは分からないが、キコリたちは素直にスタンプボアから降りる。

 そうすると、スタンプボアは明らかにホッとしたような様子を見せるが……その理由はキコリには分からない。


「よし、行け」


 ドドの合図にスタンプボアはまた転送門へと戻って消えていく。何かから逃げるかのようなその様子にキコリは「なんだ……?」と疑問符を浮かべるが、上を指差すドドのその指の先を追えば、その理由をすぐに理解する。

 上空を旋回する巨大な影。あれは鳥……だろうか?


「げっ」

「うっ……ストゥムカイト!」

「それって……人喰いトンビか⁉」


 ストゥムカイト。通称、人喰いトンビ。

 海近くに生息し、巨大魚を襲い人をも喰うという鳥型モンスターである。

 それが何羽も飛んでいる……オルフェとフェイムの様子を見るに、妖精にも襲い掛かるのだろうかとキコリは思う。


「これは……誘い込まれたかしらね」

「罠ってことか」

「たぶんね。アイツも飛んでたから襲われないはずはないし……いや、それでも突っ切ったのかしら。分かんないけど、どうする? 戻るか、進むか」


 言われて、キコリは考える。

 此処をサレナが通ったはずはないと考えて、一端戻って別のルートを行くか。

 此処をサレナが通ったと考えて、このまま突っ切るか。

 どちらがより可能性が高いのか? あのサレナというトロールなら、どうするだろうか?


「ドド。どう思う? サレナと一番接したのはドドだ。意見を聞きたい」

「そうだな……ドドは、あの女は此処を真っすぐ行ったのではないかと思う。アレは策を弄する奴で、自分に自信を持っている。一番有り得ないことをするだろう」

「裏をかきたがる……ってことか?」

「そうだ。此処を飛んで通れば襲われるなら、あえて行くだろう。魔法を使えてゴーレムも出せるのだ、やれないことはないはずだ。何より……飛べなければ、向こうには行けない」


 確かにそうであれば可能性は高いだろう、とキコリも思う。

 此処を突っ切るのが有り得ないのが「普通」ならば。

 そして何よりも未来予測を出来るのであれば、その「有り得ない」を「有り得る」にすることだって出来るだろう。


「……よし、なら行こう。オルフェ、フェイム。出来れば俺とドドから離れないでくれ」

「ええ、分かったわ。アンタはあっち行きなさい」

「どうしてだ! 私もドラゴンがいいぞ!」


 フェイムをキコリの近くから蹴りだしているオルフェと、戻ろうとするフェイムをキコリがどうしようかと考えている間にドドが掴んで引き寄せていたが……ともかく、キコリたちは遠くに見える海に向かって歩き出す。

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