何処へ向かう
「え? 何種類かいるのか?」
「……馬鹿にも分かるように言うと、ネクロマンサーは職業よ?」
「「そうだったのか」」
キコリとドドがハモり、オルフェが盛大に溜息をつく。
「馬鹿は2人もいらないんですけどぉ?」
「いや、すまん」
「ドドも謝罪しよう」
オルフェは盛大に舌打ちすると「じゃ、もういいわね」と声をあげる。
「敵は間違いなくネクロマンサー。少なくともこの村1つ分のアンデッドを操っている。これにて情報分析終了! 行くわよキコリ」
「ああ」
「うむ、少し待て。武装を整える」
「いや待てオイ」
何やら洞窟の中から箱を引きずり出してきたドドに、オルフェがたまらずツッコミを入れる。
普通に同行する気のドドに言わずにはいられなかったのだ。
「一応聞くけど、何の準備? ソレは」
「見ての通り武装だ。ドドは戦士でもある」
巨大な盾を背負いメイスを持つドドに、オルフェは「そうじゃないわよ」と声を荒げる。
「まさかとは思うけどついてくるつもり!?」
「ネクロマンサーを殺すのだろう? 目的は一致している」
「まあ、いいんじゃないか? 話も通じるんだし」
「キコリは黙ってなさい」
オルフェに一喝されてキコリは素直に黙る。オルフェが何を懸念しているかは分からないが、オルフェに任せた方が頭の良い結果になるのは分かっているからだ。
「いい? アンタはオークの中では頭も融通も利くのかもしれないけど、他のオークは違うでしょ。仲間に会ったらどう言い訳するの?」
「……? 人間がいるわけでもなし。何か問題が?」
「キコリの見た目は人間でしょうが。ゴブリンもコボルトも普通に襲ってくるわよ」
「ああ、理解した。その場合はドドが説得しよう」
「出来るの?」
「ああ。殴って翌日に目を覚ます頃には全て丸く収まっている」
ニコッと太い笑みを浮かべて拳を握るドドにキコリとオルフェは黙り込む……が、オルフェがキコリを横目で見ながら口を開く。
「アンタの知り合いになる奴って、皆こう?」
「オルフェの知り合いでもあるからな?」
「アンタのでしょ」
「何の話か分からないが、ドドは今は2人の仲間だと思っている」
「はは……ありがと」
キコリはそう言って笑う。
モンスターと人間は仲良くできない。それは真実であるだろうし、キコリがドドと「目的が一致している間」の仲間だとしても分かり合えているのは、キコリが今は人間ではないからなのだろう。
それでも、あまり悪い気分ではない。
「さあ、ドドの準備は出来た。何処へ向かう」






