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キコリの異世界譚  作者: 天野ハザマ


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効くまでぶん殴る

 地面を蹴り、キコリは前へと跳ぶ。フェアリーマントの能力を得たキコリの跳躍距離は前よりも伸び、一跳びでロックドールの元へと辿り着き斧を振るう。

 狙うのは首ではない。こんな分離して岩に偽装しているモンスターの首を飛ばして決着がつくと思うほど、キコリは愚かではない。

 だから、上へと振り上げていた斧は、その頭部に向けて振り下ろされる。

 響く打撃音と粉砕音。真っ二つに割れたロックドールの頭部はしかし、そのまま身体から落ちるようなことはない。

 振るわれた拳の一撃を受けて吹き飛びながら、キコリは冷静に状況を確認する。

 頭を割った。でも死ななかった。つまり一般的な攻撃はダメージを期待できない。

 そしてキコリが連想するのは、ソイルゴーレムのことだ。


「……コア、か?」

「たぶんね! ファイアランス!」


 オルフェが火の槍を放ちロックドールの胴体を溶かし貫くと、ロックドールは自身を維持する力を失ったかのようにバラバラに崩れ落ちる。

 とはいえ、他のロックドールに同様にコアが胴体にあるとは限らない。

 そして「そういう相手」に対して、キコリの切れる札は少ない。

 だから、キコリは正面突破することにする。


「ミョルニル!」


 襲い掛かってくるロックドールに斧を叩き付け、叩き割り電撃を流す。

 だが恐るべきことにロックドールはミョルニルの電撃が流れるより前に破壊されたパーツを分離しダメージを最小限に抑えてしまう。


「初見で対応された!? 厄介な……!」

「そのまま押さえてなさい! あたしが魔法でぶっ壊す!」

「仕方ないな、頼む!」

「ファイアアロー!」


 オルフェの生み出した数本の炎の矢がロックドールを貫き、どれが決定打になったのかは分からないが無力化に成功する。

 しかし残る1体のロックドールはオルフェを脅威と判断したかキコリを無視して襲い掛かろうとして、しかしキコリの斧で胴体を砕かれ両断される。

 された、のだが。やはりその動きは止まらない。しかし、止まらないからといってキコリを突破できるかといえば話は別だ。

 キコリをすり抜けられるのでもなければ、キコリが通すはずもない。

 そしてどうにもロックドールは先程のように分離をしない。そうすればキコリをすり抜けることだって出来るはずなのに、だ。


「ああ、そうか」


 だから、キコリもそれに気付いて笑う。


「お前、分離して移動はできないんだな」


 キコリのもう片方の手に斧が現れて、乱打がロックドールに叩き込まれる。

 力を入れた両断ほどでないにせよ、ロックドールの身体を砕いていく無数の乱打はやがて、そのコアの在処を明らかにする。

 それは、当然見逃されるはずもなく。恐らくロックドール自身想像もしていなかったであろう「効くまでぶん殴る」という力尽くな方法で、最後の1体は撃破されたのだった。

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