表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
キコリの異世界譚  作者: 天野ハザマ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

370/837

こんな場所を整備する理由

 そうして訪れた場所。そこは、一言で言うと山岳地帯であった。

 どういう理屈か何度通っても理解できないのだが、キコリたちが今立っているのは高い山の上であるようだった。

 いや、正確には中腹といったところだろうか?

 この場所にはそれなりの広さが確保されているようだが、少し端に行けば切り立った崖が存在していて、見下ろせば遥か崖下の光景は霧のようなものがかかっていて見えすらしない。


「……凄いな」

「まあまあ高い場所にあるみたいね。一体何処なのかしら」

「山の上なのは確かだけどな」

「こういうのは山脈っていうのよ」


 オルフェの言う通り、幾つかの山が連なっているようであり、確かに山脈であるのだろう。

 しかし、それよりもキコリには気になることがあった。


「此処、誰かが整備してるな」

「整備って……誰が?」

「人間じゃないのは確かだろうけどな」


 言いながらキコリは、平らな地面を撫でる。小さな砂利のような石程度は転がっているが地面に大きな凹凸や段差はなく、転びそうなものもない。天然の山でこうはならないだろう。

 そして人間ではない理由は……何もなさすぎるからだ。


「人間が此処を整備したんなら、落下防止の柵を作る。でも、そんな跡すらないしな」


 勿論、そんな余裕がなかっただけかもしれない。

 しかしそうなると、こんな危ない場所を整備する理由がない。


「ていうか人間にしろそうでないにしろ、こんな場所を整備する理由って何よ」

「さあ。迷宮化する前はどっか別の場所に繋がってたんだろうし……それ関連かな」

「あー……」


 キコリの言葉にオルフェも納得したように頷き「あっ」と声をあげる。


「とするとオークかしらね。連中、そういうことする知能あるし」

「かもな」


 キコリも迷宮化直後にゲリラ戦を仕掛けたことがあるので知っている。

 オークは知能が高く、独自の文化を持つ種族だ。

 ゴブリンが使っている武器の中にも、オーク製と思われるものが混ざっていることがあるのだ。


「山を整備する……となると、此処は鉱山なのかもな」

「鉱山、ねえ」


 何の興味もなさそうにオルフェが肩をすくめる。

 まあ、キコリとしても武器防具は自分で調達できるので鉱山にテンションを上げる意味はない。

 だから、粛々と進んで次のエリアに行けばいいだけの話……なのだが。


「見られてるな」

「そうね」


 キコリたちを見ている、幾つかの視線。道の先に落ちている岩が組み上がり、人間サイズの岩人形たちが現れる。

 ロックドール。山岳地帯に現れるというモンスターを前に、キコリは斧を構え笑う。


「すぐにぶっ壊してやる。覚悟しろ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
書籍版『キコリの異世界譚』発売中!
『キコリの異世界譚』1巻書影
コミック『キコリの異世界譚』も連載中です!
『キコリの異世界譚』1巻書影
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ