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キコリの異世界譚  作者: 天野ハザマ


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奥の手だよ

「どうするもこうするも……!」


 どうしようもない。それが答えになってしまうが、そんなわけにもいかない。

 此処で倒すか倒されるか。それしか結末はないのだから。

 ならばどうするか。

 堂々巡りのような問答を頭の中で巡らせながら、キコリは叫ぶ。


「やるしかないだろ!」


 そう、それしかない。やるしかない。

 勝ち目のない戦いなんか、何度も挑んできた。

 今回だって「勝ち目が消えた」という、ただそれだけの話に過ぎない。

 勝てないからといって、勝つことを諦めるわけにはいかないのだから。


「ブレイク!」


 斧にブレイクを纏わせ、金属巨人の足を薙ぐ。

 だが、斧はギインと音を立てて弾かれて。ブレイクは、僅かなヒビすらつけられない。


「ハ、ハハハ! これで確定した! 俺の……勝ちだあああ!」

「ぐっ!?」


 金属巨人の蹴りで吹っ飛ばされ、キコリは転がる。

 ブレイクは通用しなかった。それは確かな事実だ。

 だが、それでも。


(それでも……ブレイクは弾かれてない)


 他の魔法と違って、ブレイクは弾かれてはいない。

 通用しているのだ。ダメージを与えるまでには至っていないだけで、通用してはいる。

 それなら、やりようはある。

 先程オルフェが、同じヒールでも回復量が違ったように。

 ブレイクだって、その性質を考えればダメージ量を変えられるはずだ。

 そう、たとえば……ドラゴンブレスに籠めるような魔力を籠めれば、あるいは。

 だが、それをやるということは。


「ごめん、オルフェ。今から無茶する!」

「……っ!」


 金属巨人の攻撃を回避しながら叫ぶキコリに、オルフェは悩む様子を見せながらも叫び返す。


「やっちゃいなさい、キコリ! 面倒は見てあげる!」

「ああ!」


 再度攻撃を回避し、キコリは斧を1本消し去る。

 そのキコリの姿に、金属巨人の動きが止まる。


「ハハッ、まだ何かしようというのか?」

「ああ。最期の足掻きだ」

「ハハハハハハハハハハハハハハハッ!」


 楽しそうに、本当に楽しそうに金属巨人は笑う。

 もう勝つと確定しているからこそ、そんな余裕があるのだろう。

 当然だ。キコリの手札を完封した以上、そうなるのが当たり前だ。

 しかし、金属巨人は……ソイルレギオンは知らない。

 キコリが比較的初期から奥の手として隠し持っていた「チャージ」は……今はキコリはそう意識するだけで使える技になっていることを。

 身体への悪影響を考慮しなければ、身体が壊れるまで、文字通り死にかけるまで使えば、瞬間的な魔力は跳ね上がるということを。

 

「……貴様。なんだ、ソレは」

「奥の手だよ。俺のな」


 キコリの身体から溢れ出る魔力。身体の中に収まりきらない魔力がスパークして、光を放っていた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] スーパーキコリだ
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