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キコリの異世界譚  作者: 天野ハザマ


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ロクでもないことがあったんでしょ

 生きている町は、相変わらずカラカラに乾いている。

 地面がひび割れる程に乾いたこの場所は、人の営みには向いていないように思える。

 水がなければ作物は育たず、水がなければ人も生きられない。

 そんな場所に無理矢理暮らしていたのか、それとも昔は人が暮らせるような場所だったのか。

 どちらにせよ、ダンジョンに呑まれた時点で人が暮らせる環境とは程遠くなったのだろうが……。


「この町に何があったんだろうな」

「ロクでもないことがあったんでしょ」


 身も蓋もない答えをオルフェが返してくるが、まあその通りではあるのだろう。

 きっと何かロクでもないことがあって、町を捨てた。

 あるいは……町から住人が消えた。

 そういうことなのだろうとキコリは思う。

 

「やっぱり今もお金になりそうなところに集まってるんだろうな」

「そりゃそうでしょ」


 襲ってくるリビングストーンを叩き落としながら、キコリとオルフェは町中を歩く。

 飛んでくる皿……リビングディッシュとでも呼ぶべきなのかもしれないが、そんなものが飛んできてキコリは斧で叩き割る。

 高速回転しながら飛んでくるお皿は、意外に見た目が怖いが……しっかり見て叩き割れば、何の問題もない。

 割れた皿の中にあった魔石を拾い上げ、袋の中へと入れる。


「不思議なんだよな」

「何が?」

「此処には人がたくさんいて、こういうのも襲ってくる」

「そうね」

「なのに……まだ根絶されてないのか?」


 キコリの言葉にオルフェはハッとする。

 人間の文化なんて興味がなさすぎて気付かなかったが、確かにおかしい。

 リビングソイルやストーンはともかく、皿なんて有限のはずだ。

 しかもキコリに襲い掛かってくるくらいに好戦的なのに、まだ残っている?

 それはおかしい。初日か、遅くとも1週間くらいで全滅していないとおかしい。

 なのに、未だ「生きている皿」が残っている。それはあまりにもおかしい。


「確かに……おかしいわね」

「だろ?」


 オルフェ目掛けて跳んでくる「生きている包丁」を、キコリは斧刃で防ぎ弾く。

 弾かれ、それでも宙を舞い襲ってくる包丁を、キコリは今度は斧刃で弾くのではなく、叩き落とす。

 そのまま地面に縫い付けるように叩きつけて。すぐに斧を手元で回転させ構え直し、唐竹割りにする。

 金属が無理矢理叩き折られるバギンッという音が響いて。

 生きている包丁は魔石をその身体から無理矢理引き剥がされる。


「これだけ危ないんだ。根絶されてないとおかしい。てことは……」

「再生してるってこと? でも……」


 壊れた皿も包丁も、まだそこにある。なら「再生」ではないのだろうか?

 持ち帰られたモノだってあるはずだ。再生するなら大騒ぎになっているだろう。


「分からない、けど。此処を探索してる連中が金に目が眩んで見えなくなってることは……ありそうだよな」

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