表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
キコリの異世界譚  作者: 天野ハザマ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

209/837

生きている町

 防衛都市から見てソイルゴーレム平原を右に進んだ先の転移門。

 そこを潜ると、あの海とは全く違う場所が目の前に現れる。

 カラカラと乾いてひび割れた大地。

 ギラギラと照らす太陽と、すぐ近くにある巨大な門と壁。

 まるで街のようにも見えるが……此処は一体何なのか?

 門の外にはテントのようなものを張っている冒険者の姿も見えるし、荷車に載せられた樽のようなものもある。

 というか、まさか……あれは商人の露店、だろうか?


「アレは水売りですね。わざわざ冒険者登録してまで売りに来るのですから、止めようとも思いませんが」

「水売り……ああ、暑いからですか?」

「まあ、そういうことです。商売になる上に護衛がいれば比較的安全に商売できるギリギリの位置ですしな」


 つまり、そうやって水を買ってまで長時間の探索を行いたい冒険者がいるということなのだろうとキコリは理解する。


「此処って……何処なんですか?」

「大昔の都市ですね。『汚染前』のものと予想されていますが、迷宮化でこんな近くに来たようです」

「汚染前……」


 汚染地域は人間のせいで生まれたと、キコリは以前オルフェにそう聞いた。

 つまり、この都市はその業によってダンジョンに飲み込まれた場所ということになる。

 そこを人間が漁っているのは、なんとも凄まじいものであるようにキコリには見えていた。


「要は昔の遺跡ですよね? そんなに凄いものがあるんですか?」

「そうですね……ご存じの通り、汚染地域は濃い魔力が染みついていますが、それは汚染地域内の物品についてもそうです。特に『汚染前』から存在しているものは」

「昔の人間が使ってた物がマジックアイテムになってる可能性が高いってことでしょ? あほくさ」

「そういうことです。そうしたものは大抵の場合高く売れますので」

「なるほど……」


 ますます業が深いが、そういうものなのだろうとキコリは思う。

 実際、此処に放置したところで然程の意味はないのだろうし、ならば必要とする人の手に渡った方がいいのかもしれない。

 勝手すぎる理屈ではあるが、つまりそういう理由で此処の長期探索を行う冒険者がいるのだろう。


「……という理由だったのですが、これがそう上手くはいっておりませんでして」

「マジックアイテムが見つからなかったんですか?」


 キコリがそう聞き返すと、ジオフェルドは軽く肩をすくめてみせる。


「目的上、当然武具店や宝飾店、両替商などに狙いが集中するわけですが」

「はい」

「軒並みモンスター化していたようです。故に此処は『生きている町』と名付けられました」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
書籍版『キコリの異世界譚』発売中!
『キコリの異世界譚』1巻書影
コミック『キコリの異世界譚』も連載中です!
『キコリの異世界譚』1巻書影
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ