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笑ってくらは〜い

作者: 長島さとみ

人は、先のことを予想して賢明に行動できる人と、予期せぬ出来事に出くわしながら、失敗に気付き、改めていく人と、いるものだと思います。この詩は、後者の人の実話です。


「ミニスカートとパンプス」


大好きな人と

初めてのデート

前の日から着る服選び

千鳥格子柄のミニスカート

お気に入りの黒パンプス

買ったばかりの

キタムラのバック

早くから

時間を気にして

支度して

なのに時間は

ぎりぎり

さっきまで

小雨だった空模様

いきなりの大雨

駅まで自転車片手運転

買ったばかりの

バックが濡れる

急いでこいで

駅到着

やっぱり時間に

遅れそう

ちょうど電車が

ホームに入る

アナウンスが

流れてきた

「ラッキー!」

階段を駆け下降り

電車が到着

「絶対乗る〜!」

猛ダッシュ!

扉が開き

人が溢れ出る

ダッシュした足を

止めたその時

ヒールが「スコーン」

お尻が「どお〜ん」

足が人々に向かって

宙に浮き…

大好きな人と

初めてのデート

ちょっと短めの

スカートは

見事にまくれ

行く人は

みんな私をちら見して

たぶんみんな

ちら見して

気の毒そうな目

笑いをこらえる目

そんな目線が

降り注ぐ中

何事も

なかったかのように

立ち上がり

涼しい顔で

ホームの端まで

歩いたその電車

もちろん乗らずその電車

もちろん

待ち合わせに遅刻して

大好きな人と

会っててても

お尻が痛くて

恥ずかしさと

ショックで

スカートも

ずいぶん汚れて

気になって

早々帰って

お尻を見ると

大きな青あざが

できていた。

「雨の日に、駅のホームは滑ります。

特にミニスカートとパンプスで

走ってはいけません。」


  「松茸の香り」

            

大好きな

母のバースディー

今日七十三歳

さわやかな秋晴れ

今までは

自分の家族のことで

精一杯

親孝行など

考えたこともない

「今日は家でご飯食べよう」

電話口の母は

「ん〜じゃあ夕方行くね。」

普通の返事に

嬉しそうな気持ちが伝わる

ちょっと豪華に

感謝の気持ちをこめて…

今日は松茸ご飯

野菜売り場に

ひときわ高そうな

風貌で

竹製のかごに

八千円の値段

臆する気持ちを

振り切って

母が喜ぶ顔

思い浮かべて

レジカウンター

ウキウキと

娘にケーキ

買ってきて

メールしたら

準備万端

メニューは

お刺身・てんぷら・清汁

なんと言っても

メインは

松茸ご飯

作るのは初めて

うわさによれば

たいそう香りが

いいらしい

どれだけ

いい香りなのか

興味津々

ちょうど炊飯器が

吹き上げてきた

思わず匂いをかいでみた

「あっつ〜!」

「あっつ〜い!」

慌てて水道の水に鼻を…

コップに氷水を入れて

鼻を冷やし…

まもなく母が来て

「なにやってるの!」

「どうしたの?」

昔から母は

怪我をすると

私を叱る

それから一生懸命

介抱してくれる

母のバースデー

松茸ご飯の匂いをかいで

鼻を火傷する


「松茸ご飯の匂いは

炊飯器の吹き上げで

かいではいけません。」



私はこの道二十七年の万年平社員です。ある時、職場でトラブルが起きました。それは訴訟問題に発展する事件でした。来る日も来る日も暗い雰囲気の職場。重苦しく、問題とは関係のない仕事にも影響が出ていました。

私は何とか、この雰囲気を脱したい、職場を明るくしたいと考えていました。最近はお笑いブーム。面白い話をすればみんな喜ぶかしら。自分の実体験。人から聞いて大笑いした話。そんな話をするとみんな喜んで笑って、不思議と仕事も円滑に進むようになったのです。疲れたときに、ぼーっと読めるように詩にしました。嫌なことを笑い吹き飛ばして、「さぁまた明日もがんばろう!と、活力になれたら幸いです。





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― 新着の感想 ―
[一言] 57調が心地よい。真似してみよう。おもしろそう。 ボクは八年間非正規労働者です。まぁ年間千枚書くという目標ができてからは毎日が楽しくなったけどそれまでは憂鬱でした。 笑い。必要ですね。特に世…
2009/07/01 23:02 ホラーエロス
[一言]  こういう日常のエピソードってなんだかほのぼのとして、ついつい読んでしまうんですよね。  楽しい作品を読ませて頂き有難うございます。これからも楽しい作品をいっぱい残してください。
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