伸びたり膨らんだり大きく見えたり小さく見えたり。
___ある日。
その日から、僕の今まで見ていた世界が変わってしまった!?
・・・人がね?
変な形で見えたり、ビョーンと伸びて見えたり。
大きくなったり小さくなったり。
歪んで見えたりするんだよ!
声も、こもった図太い声で、スローモーションに聞こえたり。
甲高い声で、早口で聞こえたり。
今まで、僕がよく知っている人も...。
別人に見えるんだ。
それに? グルグルと回って見えるから。
目が回って、気分も悪くなるんだよ。
___これって!?
脳の病気なのかな? 僕は、直ぐにママに言ったんだ!
『___ねえねえママ! 僕ね、なんだかおかしいんだ!?』
『・・・どうしたの、美来?』
『みんながね? 変な風に見えるんだよ! 大きくなったり小さく
なったり、体がビョーンと伸びたり、縮んだり。目も回るんだ!』
『うーん? それじゃあ! 今から、お医者さんに診てもらうか?』
『___うん!』
___僕とママは、直ぐに病院に行って診てもらったんだ。
そうしたら? お医者さんが僕とママにこう言ったよ。
『・・・うーん? これは!? “不思議の国のアリス症候群S”じゃ
ないかと思います。』
『・・・“不思議の国のアリス症候群S?”』
『別の世界に入り込んだような? そんな感覚になるそうです。
身の回りの物が急に大きくなったり小さくなったり見えるとか。』
『・・・・・・』
『___先生! この子、治るんですか?』
『まあ、大人になれば自然に治ると思います。ただ、今のところは?
治療薬はないので、安定剤を出しておきますが、あまり美来君に飲ま
せないように、気を付けてください。』
『・・・ははい。』
___僕は、大人になるまで。
この症状に、ずっと苦しむ事になったんだ!
___何処でも何時でも、この症状になるから?
学校でも、いつもの仲のいい友達も、、、?
別の生き物のように感じる。
僕に向かって。
物凄いスローモーションで、低い声で話す友達。
なかなか? 理解できない僕を、その友達はバカにして!
僕の方を指差して笑っているところも、スローモーション。
僕が、気味が悪く感じていても。
症状は、一向に治らない!
___かと思えば?
もう一人いた友達は、早口で高い声を出して何か話している。
僕も、必死で聞き取ろうと集中して聞いているのだけど、、、?
聞き取れないんだよ! 何を言っているのか分からない!
・・・そうすると?
その友達も、僕の方を見て! 笑い出した。
僕は、なにがなんだか? どうしていいのか分からないまま
僕だけ取り残されてしまった。
___誰にも理解されない。
分かってもらえない。一人で苦しんでいると、、、?
僕のママは、僕の為にいろいろ考えてくれたんだ。
『___ねえ、美来? 美来の病気は、人に理解されないモノなの!
だからって? 美来の起きている事は事実だしね! でも、ママだけは!
“美来の味方だから”どうしたら? 良くなるのか? 頑張ろうね!』
『___うん!』
___僕のママは、
僕の為に、どうしたら? その症状が良くなるのか?
ネットで調べてくれたり、病院に直接行って聞いてくれたり、
ママ友にも相談してくれていたんだ。
・・・少しずつだったけど?
僕の友達も、僕のこの病気の事を理解してくれるようになったんだよ。
全部ぜんぶ! “ママのおかげ”なんだ!
*
___そして!
僕も大人になると? 自然とその症状は出なくなったんだよ。
不思議だね? そんな風に見えなくなると、寂しい気持ちも
出てきた。でも? ママは凄く僕の病気が治って喜んでくれたんだ!
___今は?
やっと、普通の生活を送っているよ。
最後までお読みいただきありがとうございます。




