2、アルは8歳とは思えない
気がついたらベッドの上に横になっていた。
目が覚めた感覚だった。
あたりを見ると家具や本がいろいろある。
ドアが開いて年齢は7、8だろうか?少女が部屋に入ってきた。
「誰?住居侵入罪を朝から堂々としてる不審者は」
(まさか、他人の家?勝手に不法侵入したことになってる?)
「まってまって、私怪しい人じゃ無いですよ」
(なんとかして誤解を解かないとやばい、相手はまだ子供、最悪騙す。)
「いや、住居侵入罪の定義をこれでもか!というくらいに当てはめてる人に怪しく無いと言われても、説得力無いよ、まあ、実験台が増えて忙しくなりそうだねぇー、飲むと割り箸が綺麗に割れない薬や飲むとシールが綺麗に剥がせない薬をぜひ飲んで貰おうか、」
「いや待って、何その軽い嫌がらせ、
もうちょっと実用性のある薬をさ作ろうよ、
てかその薬、誰得?」
「さあ、交番行くか!」
(あ、待って、今までの転生系で転生開始1日で囚人になるって前代未聞だよ、転生早々刑務所行きは絶対いやだ、)
「まって誤解です、自分気がついたらここに居ました。」
「まさか多重人格者?それでも不法侵入だよ君、多重人格なら取り調べめんどくさいって聞くけど、てか、驚くほど冷静だな、さっきから無表情を貫いてる。」
(まって、なんかおかしい。
この子一般の7、8歳児の持つ知識や喋り方じゃ無い、)
「まって君何才児です?発言がもはや大人ですけど?」
「明日で8歳」
「え、まってここの世界の児童みんなこんな感じなんですか?」
「ここの世界?話を逸らされても、、とりあえず顔の特徴は概ね把握したので警察に被害届出しにいくよ。」
そう言ってこの部屋から出ていく
待ってまだ誤解解けてない、
そう思い自身も立ち上がって扉を出た瞬間ドッキリ大成功と書かれた紙を笑顔で開示してきた。
ほんとにこの世界の子供ってこんな感じか?
その後緑茶を汲んでもらって机を介して対面になるように座っている。
この緑茶に薬は入っているかと不安になる。
「安心してくれ、薬があるというのは本気の冗談だ、安心して飲んでくれ、」
「いやガチか冗談かどっちやねん!
てか、どっちですか?」
「けどすまないねーこんなドッキリ仕掛けて、道端で倒れてたからさ」
「理由になってない!てかなってません、
いきなり刑務所に入るかと思いましたから今後やめてくださいね。」
「けどドッキリがあったから今私はタメ口で障害なくスラスラと話せているんじゃないか?なんなら君もタメ口を使いたまえ、まあ要するにドッキリも無駄ではないと言うことだ。」
「確かにそうだけど、まあ、ありがとう」
「あ!デレた!」
「うるさい、」
その言葉の後にお茶を少しすする。
そういえば死んで異世界転生したのに文字は日本語、なんなら漢字まで使われてる。あたりは西洋風の一軒家みたいな感じでどうにも慣れない。
「自己紹介頼めるかい?」
「あ、私は試宮 鏡花、この世界には初めて来た。」
「この世界には初めて来た?HA!愉快な冗談だ、私はアルマース・アルストレイユ、年齢は明日で8歳」
「よろしく、アル」
そう言うと、彼女は少し顔を赤らめた。
「いやー、アルって、えへへー
学内には友人もいなかったからそんなふうに呼んだらでくれるなんて存外嬉しいじゃないかー」
友達いないんだ、、
「それよりも君、ドッキリ中驚くほど無表情だねー、ドッキリって知ってた?」
「いや、知らなかったよ、無表情はデフォ、先天性、慢性無表情症候群、わかった?」
「辛いねぇー」
「いや、辛くはないよ」
なんかものすごく痛い子をみる顔になってる。
「ところで君、この世界には初めて来たと言っていたね、さては君、この国の国民じゃないだろう?」
「いや、まあ、そうだけど、
おまけに一文無し、知り合い無し、常識無しだし」
「なら一緒にギルドを組もう!」
彼女は突然そんなことを言ってきた。
「え?」