新章4 思いもかけぬ存在
「成程・・それだけ地中深部による通信路だった訳だ。シン、お前は2回程この地を探索していたし、地下通信路も知っていた。だけど、この最深部の3本は不明だった訳だな?」
「ええ・・初めて知ったっす。でも、仮に知っていたとしても、俺達はその時に目的はこの地とT国に行く事を漠然に考えていた位で、日本中の地下通信路にしても、探索すればまだ無数に残存している所はあるでしょうが、俺達は探検家じゃないっすからね」
「ははは・・そりゃあ、そうだ」
マコト隊長は笑った。
そこで、カンジが自分の調べたデータを直に見せると、ここまでPCをかちゃかちゃとやっていたショウが、すかさず自分のまとめたMAPを見せて照合するのだった。その驚くべき一致に、まずマコト隊長が驚いた。
「え!これ・・ショウが既にこの地下通信路を把握していたと言うのか?」
「はは・・まさか。ただ、この辺は勿論マコト兄が、ずっと鉱山坑道の事を調べていて、俺達も結果的にそれが今はこうした陸続きだけど、まだR国が占拠していた時代に、日本が更に地下からこの領土を監視していた話とが、ぴったりとマッチした。相手側の基地を破壊するのは、もう秒読みだったっすからね。だから日本は鎖国=地下文化の先進国になったんすよね」
「そうか・・確かにそこには最深部に更なる縦抗もあった。まだ調査はしていなかったし、R国のツンドラ地帯や、これも陸続きに現在ではかなりの島々がなっているアリューシャン列島方面に行っていたからな」
「全部、一度に出来る訳じゃ無いっすからね。ショウは、こうしてコツコツとまとめていたんす。でも、カンジ、お前も能ある鷹は爪を隠すと言うが、どうして今まで自分の才能を前面に出して来なかった。奥ゆかしい奴だとは思っていたがな」
「だって・・第14班にはシン始め、数々の特殊能力を保持している奴がごろごろいるし、実働班メンバーになった時にも、確かにカーバイトの事で、オオコウモリに警戒をさせた事には役立たせて貰ったが、実際俺の専門の分野って、何か知ってるかい?」
「あん?今更、ここで質問する?お前の事をさ・・ああ、カンジは実は科学者、地質工学分野と、気象学者だよな。2つの博士号を持つ。本来はメイ・リー博士と同様に博士なんだ。でも、神野元老にお前はある特殊能力を認められた。でも、一切お前はそれを出さなかった。ここまでな・・お前は、念写が出来るんだよな」
「それ・・シンは知っていたのか」
「ああ・・少なくても16種の超能力と言うのを何故かは未だに分からないが、神野元老はカリキュラムの中で入れていて、実際実働班に最初組織された者は、全員がその野力を多少たりとも持っている。俺だって皆が先読みって言うけど、その能力は少なからずある。これこそがな、コウタも言っていたが、人間本来持つ古来伝導の第六感と言われる能力なんだ。だって、科学オンリーで成長して来た時代にはそんなものは無用だっただろ?」
マコト隊長も、ショウも少し驚いている。だが、今言う言葉を何となくだが思い当たる節があった。




