新章4 思いもかけぬ存在
「お・・成程・・じゃあ、俺達もまだ大蛇の存在意味を半信半疑で理解していなかった。じゃあ、本当の開発実験場は宇宙と言う事になるかもな」
「そう言う事だ。だが、こんなUFO原理より俺は和良式無線LAN形式で、既に100光年先まで伸びている宇宙エレベータの方が優れていると思うが、ただ、光速を超える科学力があったかどうか・・これも興味があって・・同行させて貰った」
「は・・お前のそれは主権・希望がたんまり入っているじゃんかよ・・でも、今の話は参考にさせて貰う。切るぞ」
そう言ってシンは半ば怒りながら、通信を切った。
「怒るな、シン」
リンがなだめた。マコト隊長も、
「そうだよ、ランは、ああ言う人間だってシンが一番知っているし、行動が先に行く。あ・・それは俺もか・ははは」
はははは・・マコト隊長の人柄は、ここに及んで場を和ます。不要な情報とは言わないが、突如もたらしたラン達の行動によって、政治とは無関係を貫く科学者・学者達が国籍や人種を超えて、何か大きなうねりで動き始めていた事を何となく分かって来たのだ。そこで自由に研究出来る環境があれば、彼らはもっともっと兵器の開発では無く、科学の発展を遂げていただろうと思うのであった。
シンは言う。
「ふ・・結局はコウタは好奇心の塊。ランとは相性も良いのかもな、でもなかなかそうは言ったが、良い情報を聞いた。鎖国を貫いているかのようで、その実裏の同盟が各国同士であったんだな。まあ・・その辺は利害の一致と言うべきか」
「まあ・・そうだろうな。で、シン首班どう動けば良い?」
マコト隊長は直球だ。そこまでの話に口出しをする事も無かったが、いかに計画通り、打合せ通り動くのかが優先事項だ。
「後3時間程で台車は到着するでしょう。リンも、ショウも聞いてくれ・・」
シンは、これからの行動を詳細に伝達した。そして、ダンもケンと共に間もなく指定の場所に到着する頃だと、更なる策を示すのである。ここまで聞けば、シンが相当にこのミッションを細に至るまで考えている事が3人に伝わった。そして、ランとコウタの行動にも、何か整合性が出て来るような気がするのであった。




