基地
シンが、ランを少し真剣な顔で見つめる。
「何か、今の目的は分かるのさ。その通りに動いている。けどさ、実際俺達を動かしている最も身近なエライ班長、シリマツ管理だって、野外行動をやっている。4番監視塔が一番安全ルートだって、今の所分かってきつつあるからな」
「知っていたんだな・・2人が外で動いているのを」
「ああ・・その実、リンも名前は言わないが、生物班か化学班の者と一緒に野外活動をやった。その結果があれなんだけどさ」
シンは、少し溜息をつき、
「上には上の何やら考えがあるらしい。それにシリマツ管理は、言葉のプロ・・つまり、そう言う指導的な教育をして来たエキスパートさ。だからと言う訳じゃないけど、俺達の住むこのドームにしても、本当に謎だらけの空間なんだよな。そして、*地下坑道には俺達には今の所絶対侵入出来ないが、何かあると思っている」
「シン・・やっぱりお前・・」
*ずっと後に謎が解けて来る
ランは、シンがただならぬ何かの使命を受けて、行動しているのでは無いかとこの時思った。だが、それ以上彼は突っ込まなかった。突っ込めばシンとの友情も消えそう気がしたからだ。しかし、シンは、
「どうした?おかしい事、不思議な事などは、一杯ある。だからそれを一歩一歩でも確かにし、調べようと言う方向で動いているんだ。今は、かなり組織も変わって来たと俺は思う。色んな事に疑問を持ったり、感じる事は言える環境になっていると思うんだ、そうだろ?素直に言っているつもりだが?」
その言葉には、ランも全く違和感は無かった。しかし、今回リンを助けた時に、シンは確かに行動していた事実がある。何かを調べているのは、エライ班長とシリマツ官吏も同様だ。その点では、リンは余りにも短絡的に行動している。むしろ、ランはこっちのリンの行動にこそ共感を持つのであった。そして、リンを庇った事にも、嘘があると見ている。それはメンバーを庇う意味で使ったとすれば、それはそれで同感出来る部分でもあるが・・
そして、2人の会話はこの時はそれで終わった。
またその時シンは、恐らくリンは謹慎が解けたら、又合流するだろうと言った。確かに無断は悪いが、リンはオオコウモリの生態を初めて写真に納めたのだ。60キロはある小型の部類の鹿だが、見事な連携で空中に持ち上げて飛び去った事。又、正確にリン達めがけて攻撃を仕掛けて来た事だ。他の肉食大型獣に、それは横取りをさせないと言う意思表示に思えた。その事で、逆にリンの行動が観察を一歩進ませたと評価され、不問になったのであった。それは、シリマツ官吏から1週間後に説明があった。




