新章4 思いもかけぬ存在
「コウタ・・お前が俺達の動きを探っていた事も承知している。はっきり言おう。逆に俺達がコウタの非常に高い見識と、策謀も兼ねる人物が、何で瀬戸内海洋研究所に張り付いた?そして、人増員計画で早々とそれを諦め、メイ・リー博士にバトンタッチした?お前こそ・・かなり重大な事を掴んでいる?いや、研究しようとしているんじゃないのか?キョウの場合は、ある程度具体的だ。だが、今の俺達に知られたくない事があるんだよな?今こう言う話が出たから、はっきり言ってやろう。言うつもりも無かったんだがな、今ここでは」
シンの眼が鋭くなった。ダンもそうだ。
「やっぱり・・どうあがいてもシンには到底敵わねえや・・白旗だ。いや、別にお前達に挑戦しようとか反目を持った訳じゃない。お前達が一時は情報をオープンにしていたが、余りにも外野が騒ぐから、或る程度の情報をシャットアウトして来た。それも十分に理解する。シン・・ケンシン開発室部長も聞いて下さい。今のこの有線LANは非常に俺達の日常を変えております。情報も適時に、瞬時に、リアルに取り出せます。しかし、その反面画像を見たら、何でも簡単に出来ると言う錯覚を与えます。シンがそれを感じ、情報の一部を非開示にした部分でも分かります。生死を分けるかも知れない臨場に常にシン達が居るのに、まるで物見遊山だ。俺は、また自分の立場で重要な研究材料にさえ、アクセスをしようとする者が増えた。ここまでやって来て見学したい者もかなり居る。とても人類滅亡の危機に居る自分達が、今やろうとしている事すらも希薄な理解で、平和ボケしているとしか思えない現状を憂えております」
「やっぱり・・コウタもそう思っていたんだな?それは、その通りなんだよ。俺達はここまでの活動で、色んなものを見て来た。しかし、実働班に任せとけば、自分達は食事も与えられ、職務以外の自由時間は今までと違って圧倒的に緩くなって来ている。それが完全に組織‥俺達の考えとは遊離していると言うんだよな」
シンが言うとコウタも、
「そう・・そう言う事なんだ」
「ケンシン開発室部長も、マコト隊長には後で話をします。今からが重要会議です。聞いて下さい」
シンは、この時意を決したようだ。ダンがシンの横に座る。そして、
「今からこの会議をオープンにしたい。職制を復活して呼びます。前組織の者は、この画面を見るように伝達してください。10分後に伝達します。神野元老、黒川主査にも入って貰います。あ・・マコト隊長も、それなら参加して貰わなきゃな」
小声でダンがコウタに言った。




