新章4 思いもかけぬ存在
「ああ、勿論さ。捕らえて現地で検証する?無理な話だよ、勿論日本に連れて帰るつもりさ」
「シン・・冗談もほどほどにしとけ・・直線距離でも2000キロ以上はあろうかと言うM国から、どんな手段でそんな大蛇を連れて帰ろうと言うんだよ」
「ふ・・それを考える所だ。だけど、全然無理だとは思わないぜ。コウタ、そこは頭の柔軟な者が発想を生み出す。俺は、2つ程今思いついた所だ。おい、リン、お前はにやにや笑っているが、何か思いついているんだろ?」
「え・・?リン」
コウタとキョウがリンを見つめる。
「はは・・本当に真面目なんだよなあ、2人はよ・・理詰めで考えるからそうなる。例えばだ。大蛇をおびき出して、円柱状のカプセルに追い込む。20Mの円柱なんて作るのは簡単っすよね、ケンシン開発室部長」
「え・・ああ。可能ですが?」
「それを作って貰い、餌で追い込む。大体蛇ってバックも出来るが、頭から突っ込んではそうそう方向転換も出来まいと思う。餌のある側は勿論最初から行き止まりだ。鹿1頭を飲み込んだら、消化するのに、すぐには動くまい。後方に今度は蓋をすりゃ良い。50トンだろうが、60トンだろうが、最初から台車の上に円柱のカプセルとして乗せときゃ、そうだな・・1週間もあれば、日本まで運べるんじゃ無いか。今度は20Mもの檻を作る必要もない。大抵はとぐろを巻いて丸まっているんだろうからな、ウテン・サテンにその収容する箱でも作って貰ったら良い。そうすれば、後はどうとでも観察・分析も出来るだろう?どうだ?シンプルだろ?こんな貴重な生体は生かしておくべきだよ、今後の為にもな。どうしてこんな巨体になったのか、何を食っているのか、それこそ、そこから見えるものがある。だろ?」
「ほう・・リン、お前」
ダンがにやりとする。
「おい・・ダン、お前は正気で賛成するって?」
「ん?良い作戦じゃん、俺はそこまでまだ思いついて無かったが、動きを封じてそのフィルムで梱包しようと思っていたぜ。後は仮死状態で運ぶ手段だが、海がある。それを利用する手段だって無くは無いし、地下通信路は確実にあると思っている。だって、日本にそいつの仲間が来ていたんだぜ?必ず地下通信路は抜けている。日本の極秘同盟国で、この国で何かの実験や開発をしていた。それが証明されるだろうと思う。だから、これは今後の肝なんだよ」
「だから、どうやってその巨体を?確かに・・今のリンの方法が良いかも知れないとは思えては来たぜ」
「だろ?」
リンがにやりとする。




