新章4 思いもかけぬ存在
「お前達がじっとしている訳がねえよ、シンはMSI飛機で空を飛ぶ、ケンは犬達とあちこち地下坑道を探索していただろ?T国へ一番行っているのもお前だ。それにショウは、メイ・リー博士を通じて、相当のデータを自分のパソコンに入力したわな。ほぼ瀬戸内と対馬の生体のデータは収まっただろう?それに、お前もじっとしてないよな?『柳』と相当危ない地下通信路を探索してやがる。そして、ダンは言うに及ばずだ。地下倉庫を暇があればごそごそやっていた。お前達の行動は、確かに誰も真似出来るものじゃない。その上で、スキルを相当積み上げているのは、今回の会話でも分かった。だがな、言っておく、俺とキョウも、じっとしていた訳じゃねえぞ?そこを訂正しとけや」
「く・・くくく。お前は何も知らない顔をして、俺達の行動を把握していたって言うのかよ」
「はは・・ダンが、隠密班だったんだろうが、暗殺の訓練を受けたんだろうが、今の俺達にはそんな事は関係ない。でもな、ダン・・良い事を今言ったじゃないか、ラッピング?その通信路の補修液なら、何もそんなラッピングする必要もないだろ?鹿の餌でおびき寄せるのは有りだと思う。もう一つは蛇であれば、舌で匂いを嗅いでいるんだから、灯りがあろうと無かろうと関係も無いよな。そして、変なガスとかそんなものを噴射して、動きを封じようとか眠らそうとかする前に、そのラッピングの事を考えて見ろよ。シンがケンシン開発室部長と今話をしているんなら、もうその捕獲話はしているかも知れないぞ。シンの事だ、捉えて持ち帰る方法すら考えているのかも知れない。お前は俺達とそんな策を巡らせているより、ずっと先を行っているのが、あいつなんじゃないのかな」
「おう・・少々熱くなってお前達を挑発しようとしたが、上手をいかれたか・・じゃあ、シンに繋いでいるから、切り替えるな」
「え!おおおい・・俺達は、お前達にまんまと引きずりこまれていたんかーーい」
キョウが叫んだ。
「はははは!済まん、済まん・・大蛇捕獲案はある程度考えついた。ケンシン開発室部長に、その筒状の容れ物が可能かどうか聞いていた。通信路に仕掛ける。その前に、吹き矢で大蛇が何匹居るのかは分からないが、もしアナコンダだったのなら、地下水脈と行き来している事になる。つまり、通信路は地下大河に繋がる可能性も大だ。ここは捕獲をしたいと考えていた。最初からダン達もそう言っていただろ?」
「けど、それは皮膚組織の一片でもあれば良いって話だったんじゃないのか?」
「だから、それはコウタ・・お前はなかなか自分の本音を言わない。或る意味、頑強な意思を持ち、役目柄必要な事かも知れないが、ダンが自分をこれまでもかと出して、最後はお前を挑発した。その時になって、やっとお前は本音を語り始めた。でも、全く責めちゃいないし、オープンに何事もする必要は無いんだ。お前達の会話の中で方針変更を決めた。大蛇は捕獲する」
「何だって?推定60トンもあるような巨体を捕獲してどうするって言うんだよ」
「60トンって誰が決めたんだ?乱暴な推定だよなあ」
「ち・・そんな細かい事を言うんじゃないよ、つまり、それだけの巨体を捕らえてどうしよって言うんだの話だろ?」
ダンに突っ込まれて、この日のコウタはかなり感情的だった。




