新章4 思いもかけぬ存在
「おい、ダン、言い過ぎだ。それぞれに持ち場ってものがあるだろう?俺達だって、様々な事を同時進行でやって来たし、やっている。急にお前はイメチェンか何か分からないが、何を攻撃的口調になっているんだよ」
ケンが、
「いや、そうじゃない。だからこれは重要な関門だと思うからこそ、手伝えと言っているんだよ。マコト班も動かそうとしている意味も分かるだろう?吹き矢だけの話じゃねえよ」
「じゃあ、どこまで、何をどうすれば良いんだ?吹き矢で大蛇を倒してしまっても別に俺は構わない。銃が使えないって事だから、別に生きたままのサンプルも必要無いし、そんなでかい蛇、どうやって収める施設があるんだよ。それに食性を調べる必要も無い。大地にこの蛇がうようよしていたら別だ。地下通信路内に居るのなら、一か所だけでは恐らく無いだろう?その地下通信路の奥行とか、壁を開けてその後蛇が居た。蓋をして戻って来た。今はそれだけじゃないのか?また、地下通信路のその場所に留まっていると思うのか?相手は生き物なんだぞ?じっとしている筈が無い」
「ふ・・コウタ。餌を喰うのは当然だ。だから鹿の1頭や2頭は持って行くさ。それにな、恐らくシンがMSI飛機や、通信路の被膜塗料の事を聞いていると思うんだよ、素材の性質なんかをな・・これ、俺が知っている中で、包装資材と言うのが21世紀に開発されていた。柔らかく、伸びて、しかも強く、薄い。これは旧光ケーブルの一番外側の被膜素材と同じだ。そのフィルムの中にはやはりマグネシウム合金が混じっている。無策じゃねえぞ、この被膜塗料を蛇に吹きかけたらどうだ?動けば動く程固まって、窒息するだろうな。殺る方法は幾つもある。俺は別名暗殺班とも言われるメンバーだったからさ。そう言うテクニックは、無数に教わって来た。何の為?敵に遭遇した時の護身術だし、攻撃力を、持たなきゃ、自分がやられるからだよ。俺はずっとそれを隠して生きて来た。こいつらに言うのも初めてだ。ただ、シンだけは俺の事を知っている。お前らがまた表に出る時には、俺達が護衛する。それとも自分で身を守る術があるのかよ。全てが命賭けだって言っているのさ。それを外から客観的に言いやがってよ」
コウタとキョウの顔色が、さっと変わった。ショウが、
「と・・言う決意だ。俺達は勿論真剣だぜ。リンは何時でも先頭に立つと言っている。おい、知恵を貸して貰うために話し合ってんだ。真剣に向き合えよ、2人とも」
リンも言う。




