新章4 思いもかけぬ存在
「要は教育次第で、強力な組織のメンバーになるし、その今の観察部屋から出すのも必然だが、相手はとんでも無く高い知能を持つ、教育係によっては右にも左にも転ぶってか・・シンしか居ねえじゃねえか、それはよ」
「やっぱり・・そう思うのか、リンは」
「ああ・・そんな仕切りを出来るのは、この世に唯一人、シンしか居ねえと思う。だが、今のシン首班と言う立場とどう折り合いをつけるんだ?今M国から戻って来たばかりの俺達に、お前らとんでも無い提案をしやがった。それよりな、大蛇の話をしたかったんだよ、だろ?ケン、ショウ」
「ああ・・そうだよ。今は4年のその受胎期間があったにせよ、通常の人類とは遥かに優れている身体機能や知力を有していたとしても、子供だ。この時点で何時部屋から出す決断をさせるのなら、シンにそれを任せるしかない。俺達は反対なんぞ出来ない。ただしな、ケンはその先を言っている。もしもその和良司令官のような極端から極端に行くのなら射殺するって言っている意味も、お前達は拾えや、言葉の端にさ」
「分かった・・ケンは時々そう言う単発で、極論を言うが、そう言う事だったんだな」
「ふ・・俺も第14班に最後に加入して、ケンの考えに行き着くまでには、相当苦労したぜ、ははは」
「この野郎、今必要のない事を言っているんじゃねえ、じゃ、話を戻せよ、今T新人類の事をすぐどうとかこうとかの話では無く、M国通信路と大蛇の話だ」
「分かった、分かった・・地下通信路は間違いなく、数本はこの九州に通じているんだろう。他の通信路を今かなり調べた結果の中でも、そんな大蛇の事は全く出なかった。なぜ、こんな巨体が生まれたのか、生み出したのかのヒントは、日本とM国の中であるんだろうが、残念ながら、その情報は今までも全く無かった。しかし、居ると言う事と地下通信路、またM国指令室、システム室が存在している可能性の事を言っているんだよな?恐らくシンはランと一緒に、ケンシン開発室部長と同じような話をしているんだろう。俺は、つまり護衛の意味を兼ねているんだろうと思うし、その食料となる存在も恐らく地下にあると思う。こんな大蛇、何頭も居たらたまったもんじゃない。恐らく数頭だと思う。遺伝子操作の巨大化については、極小化と共に研究対象だったからな。それが地球規模の環境汚染と食料問題に直結するんだから、お前達が以前、身を守る為に大蛇を始末しちまった。それを白頭の群れがかっさらって行ったから、サンプルも何もねえんだ。だから、調べようにも調べられないじゃないか」
「あ・・そう言う事なら、組織の一片でもあれば可能と言う事か?」
「可能ならばな?地下通信路でどうやって、そんな大蛇を仕留めると言うんだ。食われちまうぞ、先にさ。動きもかなり俊敏なようだし」
「ふ・・そこはマコト班を呼ぶ。実はなダン、お前がここへ来る前に言っていた事をコウタ達に話して見ろや」
キョウがにやりとする。こう言う者達だ。そんな対策を既に頭に重い浮かべながらこの会に臨んでいるのだ。




