新章4 思いもかけぬ存在
「画像を今拝見した。やはり以前遭遇した何故巨大アナコンダが、日本の旧ドーム近くに居たのかの疑問が、ずっと俺の頭にもあったが、俺も瀬戸内海洋研究所にこの所掛かりっきりだったからな、そんな疑問を解決しようと思える時間も無かった。今ではスタッフも育って来たから、少しずつまたシン首班やマコト班とも合流し、実際の現場に出向こうと思うんだ」
コウタ研究所長が言うと、
「おう、それは勿論の事だし、心強い。実はな、やっぱりシンに相当の重責を担わせている現状で、俺も副首班として最近ジレンマに陥っている部分がある。今日はシン、ランをケンシン開発室部長の所に残し、俺達はシン第14班の本部に戻って来た。時間も大丈夫だと言うから、話を少し付き合って欲しいんだ、キョウ班長も良いか?」
「勿論だ。相変わらず先頭に立って、日本以外の場所にまで足を延ばし、ランなんて月まであっと言う間に行って、あっと言う間にミッションを完遂させて来た。驚き以外には無いぜ。お前達は全員別格さ、ただ、岡目八目と言うのかな、特にダン・・お前は優秀過ぎて、自分の立場をもっと明確にした方が良いと常に俺は思っていた。口には出さなかったが、お前は生体学、そして培って来た分析力、判断力、行動力もぴか一の男だもんな」
「おっと・・体が痒いぜ、キョウ」
ダンが苦笑い。
「はは・・そうやって謙遜する。第14班は、全員明日にでも首班になれる者達ばっかりだ。だからこそ言う。そう思うのなら、*お前達はそれぞれ固まって行動していないで、自分の班を作って行動しろよ、マコト班が良い例だ。だからこそ班長なんだろ?ケン、リン、ショウもさ」
「おっと・・職制の事を急に言われてもなあ」
*ダンは、少し後に別班を率い行動する事になる。
彼らも苦笑い。コウタ研究所長も
「キョウ班長の言う通りさ。既にお前達はそれだけの力量を認められている。そして、もうランの行動によって、俺達は日本の鎖国政策が良いとも悪いとも言わないが、自国第一主義の時代はもう終わった。だって、未だに地球人類には出会っても居ない。だけど・・キョウ班長、少しこの場で披露してやれよ。あの事を」
「あの事・・?」
リンがぴくんとなった。




