新章3 いよいよ
そこからが、ランはやっぱり凄かった。プログラムは作るわ。こんな工作はしらっとやるわ、またその操作術は第14班の誰もが敵わない。スナイパーだし、情報収集力に関しては右に出る者は居ない。それは誰もが認めていた。
そして、がががんとソードの使い方はこうだと3本ずつを纏めて回転させていく。一気に溝が掘れる。確かに砂煙があがるが、お構いなしだ。もうランの頭には目標が頭に入っていて、機械的にそれを制御しては居ない。これぞ人間力と言うかヲタクパワーで掘って行くのである。
「すげえな、あっと言う間に溝を掘っちまった。MSI飛機がそのまま入れる大きさだぞ、5分も掛かってねえ」
「あれが見えるのか、ケン」
「おう、砂埃で見え辛いが何とかな」
「はは・・お前も、とんでも無い眼をしてやがったんだな、ケン」
ダンが呆れた。
「何だよ、それ。リン程じゃねえけど、俺は夜目が利くんだよ、ちょびっとはな」
「ちょびっと所じゃねえわ。リン以上だわ、それは」
ダンが突っ込んだ。シンは知っていたのだろう。くくくと笑っている。
「お前らだって、揃いも揃って化け物ばっかりじゃんか」
「ダン、お前がそれを言う?真っ暗な坑道を通って来た隠密班が良く言うぜ。あれが見えているのかってお前は言った。つまりはお前も見えているって事だろ?」
ショウがここは突っ込んでいる。
「ん?あれがお前もって、ショウ!お前も見えてんじゃん!」
「ああはは・・見えている、見えていないって,騒ぐんじゃねえよ。どうやら地下通信路まで到達した見たいだ。俺達4人のMSI飛機も降りるぞ、そこまで」
「か・・一番その中で、見えていたのはシンだったか・・はぁ・・」
ダンがため息をついている中で、もやが晴れて来た。地下通信路の壁がそこにあった。紛れも無く日本製だ。これはもう素材を見ただけで分かった。




