新章3 いよいよ
「うん・・リン、とにかく俺達は、今この大地を丁寧に10M上空から探索する。データをまず集めなければならない。ただ飛び回るだけだったのなら、自動操縦のMSI飛機で良い訳だろ?俺達が乗っている事にきっと意義があると思うんだ」
「良し!気合を入れ直そうぜ」
実はこの様子は、残ったランとショウがずっとデータ収集し、MAPを作成している。現地に居ないものの、彼らも参加しているのであった。第14班総出のこれは、プロジェクトであった事を今知る事になる。そこへキョウ班長や、ケンシン開発室部長が監修と助言と分析にて参加しているのである。何かがきっとあるからに違い無かった。
そして、3日目を迎えた。
「お!」
ダンが何かを発見した。シン・ダンが探索を行っているのは、ヒマラヤ山脈に近い氷河が溶けた川で、これがゴビ砂漠に流れている。しかし、その河は砂漠の途中で消滅する。土中に沁み込んだか、太陽熱によって暖められ蒸発したかのいずれかだ。そう言う河はいずれも大きくはなく、ゴビ砂漠の中程で殆ど消滅するのだ。それが地下水脈となっていると思われる。
「どうやら・・ここが地下水脈への入り口のようだな」
シンも呟いた。そこからは直下に地面に吸い込まれるような大穴が開いていたのである。そして、ここが尤もゴビ砂漠に流れ込む河の中で一番大きなもののようだ。
「こうして上空からならはっきり見えるが、歩いて周囲を見ても何だか分からないよな」
「ああ・・もっと上空から見て初めて分かった。で?シン、ここを重点ポイントにするのか?」
「勿論だ。砂漠の中の地下水脈・・思っているよりかなりの大きさであれば、M国がいち早く地下に国の活路を見つけたと言うのは、十分頷ける。殆どが放牧民の暮らしの民族が多く居て、地球環境変動後の切り替えが難しかったからな。日本と水面下で協力した背景には、先にレアメタルと言うか、金、プラチナ、オスニウム等相当な金属鉱物があった事でも、より見えて来た気がする」
「成程・・また繋がって来た」
ダンが頷いた。そして、この夜また4人が集まり、野外のハンモックにて。外敵などは皆無だった。そして気温も心地よく感じ、雨も降らない。一番先に口を開いたのはケンだった。




